キャラクター作り武者修行(4)【創作ブートキャンプやってみた】
本記事は2023年10月22日開催の創作ブートキャンプにて教わった創作方法に基づき、作ったキャラクターを発表している記事です。
※イベント詳細は以下の記事をご覧ください。
前回作ったキャラはこちら
9人目:スマーツ(男性)
第0次世界大戦。長きにわたる熾烈な戦いは、帝国軍の生物兵器で一変した。謎の疫病により連合軍は壊滅。帝国に有利な形で終戦し、世界には仮初めの平和が訪れた。
その生物兵器を使用したのが、陸軍大将のゴーザムである。スマーツはゴーザムの一人息子だ。
スマーツは生まれつき病弱で、前線に立つことはできなかった。(当時十五歳)男子は皆戦っているのに、我が子は安穏を貪っている。ゴーザムはそのことがどうしても許せなかった。
「息子には、その貧弱な身体をもって勝利に貢献してもらう!」
治療の名目のもと、スマーツは病院へ連行され、人体実験を受けることになる。毒物を試したり人体の限界に挑んだり。極悪非道な実験の連続に、スマーツは絶命してしまう。にも関わらず、ゴーザムは実験を続行。死者蘇生の実験に使われ、成功してしまう。だが実験の開始直後に終戦したため、スマーツはただ死んで生き返っただけだった。
ゴーザムに深い憎悪を抱くスマーツは、母方の親戚を頼って隣国に亡命する。身を寄せたのは、薬学研究者の伯父ルーガ。「人の命を守るために命を使いたい」という伯父の姿に、純粋な憧れを抱く。
成長したスマーツはルーガのようになるべく、薬学研究をすることに。自分はどんな薬や拷問にも耐えうるから、人体実験も試し放題だった。
楽しく学ぶスマーツ。だがそんな折、学内で不穏な噂を聞く。「帝国軍が、新たな生物兵器を作り、近隣国を攻めるために使用する」というのだ。
その噂を聞いたスマーツはルーガの反対を押し切り、祖国へ帰る。そして研究結果を盗み出し、治療薬を作ろうとする。そのために、科学者として研究に参加しようとする。
果たしてスマーツは研究結果を盗めるのか。だが「帝国軍が使った生物兵器を改良して、こちらが帝国軍に使ってやる」という噂もあり、しかもその研究にはルーガが関わっているという。
父は憎い。だが祖国の人が死ぬのはおかしい。
伯父は尊い。だが人を殺す手伝いをするのはおかしい。
何度も裏切りに遭いながら、スマーツは自分がすべきことのために戦う。
創作メモ
この要素が出た時、創作ブートキャンプで高坂さんが作った「白雲導くん」が出てきてめちゃくちゃ困りました。
※「高坂さんのキャラ」については、創作ブートキャンプのアーカイブや以下記事からご確認ください。
出自と信念が導くんに似てると思い、「あれ以上のキャラが作れるのか?」と自信喪失。
そこで視点を変えました。
信念が闘争ということは、「○○のために戦い続ける」ということ。では「主人公は泥棒し続ける」のだよなと。「泥棒って“し続ける”ことか?」からスパイに変更。「スパイファミリーのロイドみたいな感じか」と思ったことで、ようやく導くんから抜け出せました。まあ、世界観はスパイファミリー寄りになっちゃいましたけど(汗)あと「英雄/悪人の子」の使い方は高坂さんから学んでいます。いやー、本当に勉強になりました!
最近男性ばかりだったので女性にしたかったのですが、女性だとハニートラップを疑われそうなので断念しています。
スマーツが人体実験されるのは「実験体」があったから。毒物耐性が薬屋のひとりごとと同じなので、蘇生も加えています。ここまでした方が、父の狂いっぷりが顕著ですからね。
ちなみに名前は全部ドイツ語から。私の空耳で和訳しています。スマーツは「痛み」、ゴーザムは「残酷」、ルーガは「嘘」から来ています。なんか音的にもそれっぽくて、ちょっとゾッとしました。
10人目:櫛来一郎太(男性)
青森県は恐山のふもとに、一郎太という、誰もが天才と認める子天狗が住んでいた。幼少期から高度な技を次々と使い、若干五歳にしてオリジナル秘術を作るなど、神童っぷりを発揮していた。
櫛来家は子だくさんで、長男の一郎太の下に三人(後に四人)の弟妹がいる。可愛い弟妹に囲まれ慕われる一郎太は自信満々で、頼れる兄貴といった感じだった。
そんな矢先、次男が迷子になる。一郎太は無事弟を保護するのだが、その時に魔獣に遭遇する。しかし一郎太、大人が手こずるような魔獣も見事に撃退してしまう。
だが帰り道で、一郎太は雷に打たれてしまう。
重傷を負うも、無事に回復する一郎太。しかし記憶を失ってしまう。人格もガラリと変わり、温厚で闘いを好まない性格になってしまった。オリジナル秘術もすっかり忘れ、神童の面影は消えてしまった。
両親たちは「脳が焼けてしまった」と悲観していた。しかし、より弟妹の世話をするようになったため、次男以外の弟妹はむしろ「いい兄ちゃんになった」と喜んでいた。また本人はちっとも悲観せず、楽しい生活を送っていた。
そんな一郎太も年頃になり、天狗の学校に通うことになる。申請時は神童だったため、東北地方の最高峰、遠野の学校に通うことに。次男も優れた天狗であるため「いずれは次男も通うから」と、櫛来家は一家揃って移住することになった。
のんびりした性格と噂以下の実力により、一郎太は同級生から馬鹿にされる。しかし本人はちっとも動じない。
そして一週間遅れて、なぜか天狗の学校に入学してきた人間と、一郎太は垣根を超えた友情を育んでいくのであった──
創作メモ
実は週刊少年マガジン原作大賞に応募中の「天狗の涙」のキャラクター「一郎太」を作りました。
ルールから外れるかもしれませんが、「既存作品に登場するキャラを作るとどうなるんだろう」「この手法で脇役を作るとどうなるんだろう」というチャレンジ創作ですのでご容赦ください。
また「中学生じゃないじゃん!」とお叱りを受けそうですが、天狗の学校は小中一貫校ですので重ねてご容赦ください。
なぜ一郎太を作ったかというと、要素がほぼ同じだったからです。ただ「忘却」だけが元の要素になかったので、「これを入れたら深みが出るだろうな」と思いました。
結果「元神童」というキャラ付けが!
元々、一郎太の弟を天才にする予定だったんですが、兄の一郎太も神童にすると、めちゃくちゃ話の整合性が取れるんですよね。だから助かりました(笑)
今回は元キャラがいたのですが、機会があれば同じ要素でまたゼロから作りたい。「妖怪が中学生として一般社会で暮らす。しかも何かを誰かに継承させたい」って、実は作りにくい設定だと思うんですよね。
よければあなたもチャレンジしてみてください。コメントで教えてくだされば、私がめっちゃ褒めますよ(^^)