帰ってきたラクダ(キャメル) dangotv.jp
Tik Tokどうよ、等々、米中対立に関連して毎日話題にのぼる中国だが、一度は売られたラクダが元の飼い主を慕って砂漠を100km歩いて戻ったという作り話のようなニュースがSNSユーザーたち間に広がり、ユーザーの端くれにいる私のところにも届いた。
♪逃げたラクダに未練はないが🎵
その出来事は、中国の内モンゴル自治区で起きたそうだ。7月初旬、一人の牧夫が家畜の世話をしていたところ、砂漠を歩いて来た一頭のラクダに遭遇した。ラクダは誰にも連れられていなかったという。
このラクダ、2019年10月に100km離れた場所に住む現在の所有者に売り渡されていて、8ヶ月後の6月27日に現所有者の元から逃げ出した。夏に向けて、伸びた毛を刈り取った日の翌日だったそうだ。
♪育ての親が恋しくて〜🎵
ここからは、美談大好き日本人のたくましい想像力を発揮して聞く。
その後ラクダは、砂漠を100km以上歩き、途中いくつもの山を超え、行く手を遮るハイウエイはフェンスを乗り越えて横断し、元の飼い主の元を目指しのだと。ラクダは怪我をしており、体にあった無数の傷、スタミナの格納庫である萎みきったコブがその旅の過酷さを物語る、ラクダとはいえ決してラクダではなかったろうと。
傷ついたラクダ発見は地元のニュースになり、一旦は所有者のもとに連れ戻されたのだが、けなげな脱走を知った元飼い主夫婦は所有者と交渉してラクダを飼い続けることにした。ラクダは幸せに暮らしましたとさ、めでたし、めでたし。
♪けなげいとしや、ラクダの名はハチ?🎵
この話の真偽の程度は、私にはわからない。でも、私たち日本人はこの手の話が大好きだ。東京・渋谷駅まで飼い主の帰りを出迎えに行き、飼い主の死去後も約10年にわたって通い続けた、あの「忠犬ハチ公」の中国版として感動の話が広がっているようだ。
「飼い主訪ねて果てない月の砂漠をゆくラクダ」のいかに健気なことだろうか、と。
♪ニコチン中毒のおっさんも帰ってきた🎵
自分の目で見ないと信じない、聞く話は話半分。そんな素直じゃないアラカンになった私だが、机の上のタバコを手に取り、ラクダの絵が描かれたパッケージを見てしみじみと回想。
タバコを吸うようになった20歳の頃、NHKで「シルクロード」という名作番組をやっていた。欠かさず見たし、タバコを吸うなら「キャメル(ラクダ)」だった。当時は相当のヘビースモーカーで、当時のヘビーローテーションもまたキャメル(あ、昔のロックバンドです)だったなあ。
33歳で結婚を機に禁煙を初めて、ほぼ30年続けた禁煙だが、この度コロナ巣篭もり生活のストレスを解消すべく、一日一本だが1日の終わりに月を眺めながら、遠い目で(笑)懐かしい味を楽しむようになった。
あの味を忘れられなくて、私も30年ぶりにこの中国のラクダのようにスモーカーに戻ってきた。この話は?
え?美談でもなんでもない? 忘れた頃に現れた、ただの「依存症」?
中国じゃなくて、中毒?
残念。