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ビリ魔女 第8話 理不尽
前回のあらすじ
高校には行った方がいい
お母さんから、何度も言われた
家のことを考えたら、中卒で働いた方がいいと思っていたけど…
【学歴で人を判断しない】なんて建前だから
実際は、見下す人や、馬鹿にする人もいるの
それに学歴がないと、応募できる仕事に制約や制限が掛かるから
最初からね、選択肢や可能性が減ってしまうの…
本当なら、大学まで行かせてあげたかったけど、ごめんね…
それに高校に行ったら
中学とは違うかもよ
勉強だけじゃなくて
新しい友だちができたり
ステキな先生に出会えたり
恋をしたり
色々な人に出会ったり
色々なことを経験できる場所
…かもよ
できることなら
叶うことなら
高校に行ってみたい
行きたい
だから、受験結果を考えると
凄く怖い…
凄く恐ろしい…
とにかく行かなかきゃ
試験会場に
直前になって、必死に勉強したけど大丈夫かな…
これなら、普段の授業から真面目にやってればよかったなと
今さら後悔をしている…
不安と緊急で一杯の中、ホームを歩いていたら何かに躓《つまずい》た
足の痛みと共に、転がっている空き瓶が目に入った!
一体、誰がこんな所に置いたの…
あれ?
カバンがない?
どこ?
受験票も入っているのに…
ホームをいくら見渡しても
どこにもない…
視界の端に、いつも見慣れたカバンが目に入ってきた
ありえない場所に….
なんで線路の上にあるの!
もう終わった
全てが終わった
何でこんなことに…
何でこんな目に…
あたしだけが…
どうせ…
あたしの人生なんて…
こんな….
頭上に、優しい女の人の声が聞こえて顔を上げると、3人のお姉さん達がいた
駅員さんに連絡してくれたり、足のケガを心配して声をかけてくれる
駅員さんが急いで来てくれたけど
線路に落ちたカバンは、直ぐには拾って貰えないと聞こえてきた
目の前が、また真っ暗になった…
魔女のコスプレをしたお姉さんの声が耳に残った
「黄色い線を越えなければ、いいんですよね?」
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異界に来ても…
こんな理不尽があるのか…
激しく憤りを感じた…
この世界でも魔法が使えるなら…
なんとかできるはず
最下位魔女
負け組魔法しか使えない奴
人生終わってる(笑)
そうやって
馬鹿にされた
見下された
何度も何度も
悔しい思いをした
理不尽に苦しんだ
理不尽に何度も押し潰された
だから…
集中しろ
あたしの為じゃない
この子の為に
心を込めて
愛を込めて
愛子「海の幸、川の|幸、豊かな自然よ
ひもじく、苦しく、空腹な我らに、恵みを与えたまえ」
手元が光り輝き出すと共に、釣竿が魔法となって現れた
よし!
できた!
愛子「そーれ!」
魔法の釣り針がカバンに引っ掛かり、少しずつ持ち上がっていく
愛子「ちょっ…重すぎ…」
カバンは空中で止まってしまう
慈「あーしも手伝う!」
慈が釣竿に手を添えると、光が増してより強く輝きだした
愛子と慈「「せーの!!」」
2人が同時に叫ぶと、カバンはホームドアの高さを乗り越えて、女子中学生の前にポトンと落ちた
【続く】
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【後書き】
お読み頂いて、ありがとうございます。
7話に続いての投稿です。
【魔女】【魔法】【異世界】が題材なのに、魔法が登場しない小説に、ようやく登場です。
私達の日常、電気も家電も車も電車も。
この小説を書き始めてからは、魔法だと感じる様になりました。
第7話はこちら