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ビリ魔女 第4話 四年に一度の動物紙幣選挙

前回(第3話)の、あらすじ

愛子ちゃんは、車も信号も、本当に知らないのかな?

✔️世間知らずの、箱入りお嬢さま?
✔️魔法の世界観が、大好きな女の子?
✔️記憶喪失とか?
✔️ずっと入院してたとか?

まあ素直だし、面白い子だから、何だって、いいんだけどね〜

愛子ちゃんが、助けて貰ったお礼がしたいとのことで、マルクナルド=マルドの、お店の前に来ている…

愛子あいこ花織かおりさん…。ここが【まるど】ですか…?」

花織「そうだよ。マルドと言えば、マルクナルドでしょ?」

愛子「…違うけど、なんか似ている…

と、とりあえず、入ります…」

恐る恐る、店内に入る愛子ちゃん

愛子「花織さん、あの人達は、ガラスに写ってる写真を触って、遊んでるんですか?」

花織「あー、あれはね…

現金以外の支払い客は、自分で画面を操作して注文して、電子決済で支払わないといけないの。

2020年からの騒動から、急激にあーいうのが普及されたのよ。

まーでも、富裕層向けのお店だと、客自身に、あんな真似は絶対にさせないだろうけどね。

飲食店の楽しみってさ、美味しい料理を頂くだけじゃなくてさ。

店員さんに注文を聞いて貰ったり、常連になると顔を覚えて貰って、ちょっとした話しをしたり、世間話ししたり、仲良くなれたり、するんだけとね…

便利と速さを口実に、情緒もないし、人との関わりもより希薄になって、味気無くなって、私は嫌いなんだ。

ごめんね愚痴ちゃって。

現金なら、まだ有人レジで注文できるから、並ぼうか。」


順番が来て、私が先に注文して、それに習って愛子ちゃんもメニューを指差しながら、たどたどしい様子で注文していた。


会計になり、愛子ちゃんがお財布から、お札を取り出すと、店員さんが、困惑した表情を浮かべ出した…

店員さん「そ、その、お客さま...

こちらのお札は、ご利用頂けません...」


愛子「えっ!?

旧札だけど、まだ使えるはずなのに...」


旧札?


花織「ちょっと見せて...」


な、な、なんだこれは!!!

それは、初めて見る紙幣だった! 

動物の可愛い絵柄が描かれている…


不思議な事に、おもちゃのお札にも見えない…

何か変わっているけど、凄くおもしろい子だな

よし

花織「ここは、私が出すよ。」

愛子「えっ、でも...」

花織「いいから、いいから。

その代わり、お札の話しを聞かせてよ。」 

愛子「それじゃ、お礼には...」

花織「いいの、いいの。」

私が代わりに会計を支払い、番号札を受け取って席に着く。

しばらくして、トレーに載った料理が運れて受け取る。

店員さんに「ありがとう。」とお礼を言った後に、お互い「いただきます。」と言って、冷めない内に温かい料理を頂く。

しばらくして、愛子ちゃんが持っている、お札について私が改めて尋ねると…

愛子ちゃんは、饒舌じょうぜつに語り始めた...

愛子「四年に一度の、動物紙幣選挙があるんです。毎回、投票率70%は固いですよ。」

70%って凄いな!

最近の地方選挙で約45%、国政選挙で約50%届いたら、いい位だから

愛子「犬と猫の一万円札万券争いが多いですね。

犬派と猫派の人達が、今回は、どの子で推すか、子どもから、大人まで、侃々諤々かんかんがくがくに議論し合います。

猫派なら今回は、三毛猫、茶トラ猫、黒猫、白猫を推そうとか。

犬派なら、秋田犬、柴犬、豆柴を推して対抗しようってね。


昔は、像やパンダが、万券に選ばれた事もあるんですよ。

ここ数年だと、レッサーパンダやカピバラが万券争いに入って来て、熱い闘いだったな。

そういう時の投票率は、80%とか90%になるんです。

普段は、犬でも猫でも、どっちでもいいって人も、今回は投票に行くぞって、なるみたいで。」


明るく、楽しく、語っていた、愛子ちゃんの表情が、ふと暗くなる…


「ただ、人が、お札に使用される事は、一度もなかったのに…

チート彗星すいせい騒動が起きるまでは...」


チート彗星?

何それ?

愛子「...何かしらの実績や功績って、まあ中心人物に当たる人が、目立つし、脚光を浴びるじゃないですか?

けど、その人、1人の力だけじゃなくて。

一緒に働いている人達、協力会社さん、支援者さん、家族や友人の支えや応援の、おかげさまだと、あたしは思うんです。

中心人物が、みんなを代表して、何かしらの賞を受け取るって体裁は、理解は出来ますよ。

けど、みんなが使う、お札に自分の肖像画を、わざわざ乗せるなんて…

なんていうか、偉そうとか、威張ってるとか、おこがましいとか、あなた何様って、あたしは思うんです。」

愛子ちゃんが、眉間にしわ寄せ、頬を膨らませて、怒っている…


愛子ちゃんのお札が、たとえ偽物だとしても…

彼女の話しには、とても共感が出来るし、賛同出来て、凄く痛快だ!


続く

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~【後書き】
お読み頂いて、ありがとうございます。

4話も、なんとか再投稿出来ました🐾

今回は、2000文字近く、これまで500〜1000文字以下で、2〜3倍の文量でした💦

途中で切りづらく、テンポを上げる為に、詰め込みました。

アルファポリス様に投稿していたのは、この話しが最後です。

これからは、スマホにメモったものと、頭から中にある物語を、書き上げる作業になり💦

まあ焦らず、楽しく書けると、いいです🍃

第3話はこちら

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