真面目感想・番外編「ルート201905」

いつもみたいに「真面目に書いてみた」シリーズから外れています。本感想は、ほぼ自戒を込めて書きつつ、自分は棚上げしています。

本件は、2019年5月末に行われたすゞひ企画第6回目公演、演劇×体験型ミステリー「ルートだけが知る手紙」に関する内容です。

本内容は若干のネタバレを含みます。なるべくしないようにしていますが、どうしても書かないと成立しないこともあるので、書いています。また、本感想は2019年5月31日時点の様子です。再演などあった場合は変わっていることもあるので、再演行こうかなって方はまず読まないほうがいいです。

概要

ストーリー:J-SQUARE SHINAGAWA。ここでは数年に一度、危険な闇オークションが催される。今日は、13年ぶりの開催日。日本中のVIPが…、いや、日本中のきな臭い連中がこの会場に集結した。どうやら、今年は近年稀に見る“当たり年”らしい。今回の目玉は、とある「女」そう、人身売買である。日本では、本来体験することができない光景に会場は熱狂した。さらにこの「女」、とある秘密を抱えているらしい。オークショニアが高らかに宣言する。「まずは1000万円からスタートです」落札の木槌が振り下ろされた時、突如として会場中に悲鳴が響き渡る。どうやら「女」が殺された、とのことだった。
何故その「女」は殺されなくてはいけなかったのか。何故その「女」はオークションにかけられる運命だったのか。そして、その「女」が抱えていた秘密とは?いま、衝撃の真実が落札される(公式HP引用

本企画の大まかな流れは3パートです。まずは物語(事件)パート、参加者は一定人数でチームを組まされて入場し、物語は会場に入った瞬間から始まります。参加者はとある理由=特定のイベントに参加する予定で集合した人々の設定です。会場の演出はこの時点で特定のイベント仕様になっています。しばらくは事件など忘れてそのイベントに興じるわけですが、進行中に登場人物が殺害されてしまいます。実は参加者に探偵が紛れ込んでいて、その探偵が主導していく形で、その場に居合わせた体の参加者が事件を推理する、推理パートに突入。関係者に聞き込みをしたり、物品を確認したり、情報をとある方法で収集したり(作品によって収集方法が異なる)し、最終的に逮捕状を書き上げて探偵宛に提出。解決パートで全て暴かれて大団円、逮捕状の点数が高い上位3チームの表彰があって終わりです。
問題パートは90分くらい?、推理パートは60分、解決パートは30分以上かかっていたと思います。大体3時間コース。

小池は本企画の参加は4作品目です(第6回っなってますが、再演2回がカウントされています)。物語パートをプロの役者さんが演じているので迫力もあるし、ミステリーイベントとしての独自システムが面白いなぁと思っていて、従前の作品にも「ここはこうなればいいのにな」はあったのですが、相対的には好きで6回目も参加しました。ソロ凸で参加して見ると、お客さんの層は役者ファン、キャラメルボックスファン(劇団・キャラメルボックスの役者さんが沢山出ているので)、ミステリークラスタ、謎解きクラスタ(S社の会場でやることが従前は多かったので)の4層で前者2層は「何するんだろう・・・?」という感じで参加されています。

小池の参加スタンス

ミステリークラスタです。あと、6回参加していると、情報共有というよりも情報統合者が必要だと思うようになったので、ソロor少人数で初めましてさんが同卓にいる時は、基本的にテーブルから動かず、聞き込み情報を聞いて紙に落としていく/足らない情報を周知する担当をしています。

今回のテーブルでは、動きが完全にミステリーか謎解きクラスタ1名(後に出てくるAちゃん)、謎解き&キャラメルファンの方2名、役者かキャラメルファンの方2名での参加でした、キャラメルファンの方は「何を・・・・するんだ?」という感じだったのですが、個人的には情報統合者がいると「この写真をこの人物に見せたときの情報が欲しいかも」と相談できたので、戦法(?)的には良かったと思っています。

言いたいこと

ここからは言いたいことを、小池なりの端的な文章で列挙します。再度注意しますが、ネタバレにならないように書いていますが、ちょっと怪しいところがあります。あしからず。あと、自戒を込めて・・・。

良かったところ>>
・裏社会という黒い勢い、目の前でプロの役者が演じる大迫力
・探偵っぽさのある行動が要求される没入感
・オークションチキチキレースを体験できるスリル

物申したいところ>>
【ゲームシステム・運営】
① 冒頭のやりたいことは理解できるが、動線配慮が足らない。もはや入場時間を時間指定でずらして管理したほうが良かったのでは・・・。
② 従前から問題になっていた、聞き込み列の制御を放置。1チーム6人いても情報収集が足りなくなる/やり直しが聞きにくい。。
③ 想定外の証拠品から証言を引き出すシステムは、②を解消してからにして欲しいし、分からないからかなりの量がある証拠品や証言が引き出せるアイテムを登場人物に突きつけなければならん。②と相まって時間が足りない。
④ 聞き込みに行く先の人数が多いから、チームでも分担して聞きにいくけど、ボードも白い紙も少なすぎるのでは!?
⑤ 新システムの導入は最初関心する程度に良いと思ったけど、エグ過ぎるし重要度がいまいちで、リピーターじゃないと解ききれないと思う。難易度的に、あの出し方をされると重要度高いようにも見えるし曲者過ぎた。状況が飲み込めるAちゃんに全部任せざるを得なかった。
⑥ Aちゃんの発想で、探偵助手らが自分たちの解説をする際に「怪我をされた場合は~、できることは~」って言っていたことに注目して、とある物を確認のために手に入れようとしたが却下されていた。【ストーリー】のところでも触れるが、これって結局何がしたかったの?
⑦ (これも小言に近い)今回、現場検証がない。そのため、アリバイトリックの話が出てきた時に、出てきたいくつかの証拠品が検証できない状態だった。一度入っている場所とはいえ、混雑していた場所の状況と別の場で提示されている証拠品を見て想像で検証するのは困難。

【ストーリー】
⑧ 参加者の立場が唐突過ぎるのが勿体無い。あの会場全員が同じ理由で参加していることが分かっているので、特に誰かに勝とうというより、手持ちのお金とチキチキレースしているだけだったので、なんともいえない。
 探偵が、万能なの、好きじゃない。これは従前の作品でもずっと言っていたのだけど、同じ推理パート60分間を一緒に生きた探偵のはずが、あまりにも優秀すぎる。クッキング教室で、3分クッキングを目の前でされて、「君らも3分でできるでしょ」といわれている感じ。
⑩ 本作だけじゃなく、1作品目にも感じけど、解決パートの60分置いてけぼり。単純に物語パートと推理パートの関わり方の落差凄いっていつも思う。なぜ他の舞台と違うのか考えたけど、小池なりの答えは後述する【ミステリー・トリック】を要因として、納得のないまま60分見ているからだ、と。他のミステリーイベントだと「いや、あそこはこうだったああだった」と不満を考える余地があるんだけど、本企画は⑨・⑮の関係で思考を追いつかせることを放棄したくなる。
⑪ ・・・私は未だに、Tさんが会場に戻ってきた理由の推理方法が分かっていない。し、ストーリーとして理解し切れていない。人身売買だけ先行しているけど・・・これだと人身売買があった事実は立証できないな?(何視点だよ)

【ミステリー・トリック】
⑫ 参加者が検証できないことをトリックにしちゃいけない。上で述べた⑥、検証目的だったけど、それすら許されないんじゃ無理。逆に探偵への聞き込みで分かるようにしていたといわれても、むしろ答えられる人がいるのが謎。
⑬ ⑫の前提で、特殊知識を参加者が検証もできないのにトリックにしちゃいけない。去年の某所の国名とか、某所の現象名とか、推理の周囲を固める内容だったらいいけど、推理の根底にあるのは反感買うよそりゃぁ・・・。しかも”実験すればできることを証明できる”は過去の作品でもあったけど、このパターンでやるのはちょっといただけない。
⑭ ミステリーは動機で考えちゃいけないんだけど、動機で考えないと線が細いところがあって、その解説を探偵がすると⑨に抵触して苦手。
⑮ 謎解き発祥のメンバーが作っているからだとは思うが、事件の証拠品に仕組まれた難易度の高い暗号が"ある種の設問(解くもの)"として存在していて、その問題がトリックに関係なく、なおかつ逮捕状作成に時間がかかる状況で「解くべきだった」風に解説シーン入るの、好きではない。解説するってことはそこまで解くべきってことだと思うけど、既に事件の深層部分で手一杯なのでその後の熱い展開も解説シーンごとに覚めてしまった。

【結論】好きじゃなかった。⑫・⑬を持ち出されると、一気に「あっ・・・」ってなった。


<後日、書き足すかも>

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?