ゲームプレイレポート①ゼルダの伝説:ティアーズオブザキングダム
※この記事はただの自主研究のためのレポートでありnoteが使いやすいのでついでに投稿しているだけです。あくまで個人の意見ですので鵜吞みにしないでください。
※当然ながらネタバレあり。
どういうゲーム?
「ゼルダの伝説 ティアーズオブザキングダム」
(以下ティアキン)
発売日:2023年5月12日
対応プラットフォーム:NintendoSwitch
ジャンル:アクション・謎解き・オープンワールド
私の総プレイ時間:70時間
ティアキンは前作「ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド」(以下ブレワイ)の続編として制作されたオープンワールド形式のアクションゲーム。ブレワイのシステムはほぼそのままにできる遊びを大幅に変更し配信された。
本ゲームでできることは以下である。
・回避、パリィを駆使して戦うアクションバトル
・広大な大地、空、地下の探索
・謎解きを駆使してダンジョンを攻略する
・様々なオブジェクトを移動、合体させる「ウルトラハンド」
・他オブジェクトと合体させ新しい武器を生成する「スクラビルド」
・指定オブジェクトのみの動きを逆再生できる「モドレコ」
・ウルトラハンドで生成できるものをコピー生成する「ブループリント」
・特定のミッションをこなして進めるRPG要素
はっきり言ってできることが多すぎる。ストーリークリアを目指すのであればおそらくは15時間ほどで終わるのではないかと思うが、普通にプレイしているのであればそんなことは不可能だ。
理由は簡単で、次から次へと「あれをしてみよう」「これをしてみよう」というのが浮かんできて、寄り道に次ぐ寄り道をしてしまうからである。
これは製作者も狙っていることであり、「やってみようと思ったことができる」というゲームを目指して作ったとのこと。これについては成功していると言えるだろう。
まあこのゲームの出来ることを語り始めると終わらないので楽しいところ・楽しくないところの二点に分けて説明していく。
楽しいところ
ウルトラハンド
このゲームは何もかもが楽しい。右手の機能はもちろんのこと、謎解き、戦闘、すべてが楽しい。右手の機能、特に「ウルトラハンド」だけで数十時間は消えていく。このクラフト機能に関してはゼルダはあまり関係なく、あつまれどうぶつの森などといった時間制限のないステージで現実に近いDIYなどをする感覚に近い。シュミレーションゲームとでもいうのだろうか?
これとこれ合体したらあれを作れないか?とか、これを作ってあそこに並べてみよう、とか。ゼルダ関係なくこの手のゲームは楽しいのだろう。
余談だが、ゼルダのファンタジーなフィールド上に突然3Dのxyz軸が出てくるのが少しシュールで面白いと思った。
やはりこのゲームの多くがこれをしたらどうなるんだろう、という好奇心からくる楽しさがある。
マップ探索
今作は前作の約3倍分のマップがある。空島から始まり地上、地下と余すことなく探索できる。プレイ初期のマップはすべて見ることができないが、特定の建物に向かうことでマップを解放していくことができる。正直この作業だけでも数時間と溶けていく。特定の建物はかなり分かりやすく、移動に苦戦することはほとんどない。それでも全マップ解放に時間がかかるのは、その移動ルート上に必ず新しい何かがあるからだ。
例えば、謎解きダンジョンである祠を見つけてついでに寄って行こう、と思ってしまったり、敵がいるから倒してから行こうとか、コログ(作中のキャラクター。彼らのちかくにはほぼ必ずミニゲームがある)がいるから遊んでいこうとか、進めば進むほどタスクが増えていくのだ。楽しいとかそういうの以前に気づいたら時間が経っている。
このゲームに正解などない。どうやって移動したっていいし、謎解きすら様々な解放がある。この自由度はこのゲーム、オープンワールドジャンルの良さであると同時に欠点でもある。
ストーリーやBGMなどのゲーム性以外も良い
とにかくストーリーが良かった。本作は四つのダンジョンを回りヒロインを探すというストーリーを進めていくのだが、これも例によってどこから始めてもいいため、プレイヤーごとに違ったストーリーになるのが面白い。また、それが話の話題になることもある。今作から追加されたNPCとの共闘も面白く、各NPCが持っているスキルを活かしてダンジョンを攻略していくというのがNPCの使用を誘導しているのだと感じた。もちろんわざわざNPCに頼らずとも他の攻略法もあるのがこのゲームの面白いところである。
BGMも印象深く、個人的に印象深いのはダンジョンボスであるフリザゲイラとの戦いで流れるBGMだろうか。件のダンジョンとかかわりのある村でかかっているBGMと前作に関わりのあったダンジョンBGM、そして別作品「風のタクト」で使用されたBGM三つを上手くマッチしてアレンジさせた曲である。後者については、そのBGMが使用されるボス戦がフリザゲイラと見た目が酷似していることからアレンジされたのだと思われる。前者に関しては、村を助けるためにここで倒さなければならない、という共闘NPCの想いも感じられるような演出であり、これは後述するがかなり印象深いボス戦であったと思う。
ストーリーは最後ヒロインを見つけることができるが、ラスボス最終形態~最後にヒロインを助けるまでのシーンがとても綺麗だった。本シリーズの題名は「ゼルダの伝説」であり、ゼルダとは主人公ではなくヒロインのことを指す。常に助けられる側であるヒロインが伝説の名を冠しているのは全く持って意味が分からなかったが、ストーリーの一連を通し、ラスボスで助けに来てくれた時はこれが「ゼルダの伝説」か、と納得して大いに感動してしまった。そして最後のヒロインを助けるシーン。本作の空中移動はこのためにあったのではないかと思うほどゲーム性とマッチした演出であり、カメラワークが横になってオープニングの対比になっていると気づいたときには唖然としてしまった。ゼルダの子守唄というシリーズ通して使用されているBGMアレンジが入るというファンサービスも感動ものだ。
このゲームは「翔ける。創る。紡ぐ。」というコンセプトを最後まで突き通していた素晴らしいゲームだった。
楽しくないところ
やることが多すぎる
人によるとは思うが、ミッションなどが溜まりすぎるとやる気がなくなる。やらなきゃいけないことはたくさんあるのだが、それがありすぎて何からやればいいのかもわからないしもういいや、と思ってしまう。最初の内は楽しくてずっとやっていたが、ボス戦を終え70時間超え始めたところからやる気が失せてしまった。
「あれ、このゲーム終わんなくね?ストーリークリアしたしもういいや」というのがプレイしなくなった私の感想である。勘違いしないでほしいのは、ストーリークリアするまでは大学をサボってまでもやってしまったゲームなのでつまらなかったわけではないということ。
バトルが難しい
正直これに関してはほぼ私の得手不得手でしかないのだが、普通にバトルが難しい。難しいというか、攻撃が通らない。強い敵を倒すには強い武器が必要で、その強い武器というのは強い敵を倒さないと手に入らない。殴ってもダメージが入らないというのは非常に不快で気持ちよさがない。特にゲーム内で敵に勝つための誘導などもないため、私はかなり戦闘を避けまくったと思う。
スクラビルドを使ってほしいという意図なのかもしれないが、そういうもの関係なしに私は楽しくなかった。
対してボス戦、とくにフリザゲイラ戦は楽しかった。新ギミックである空からの落下を生かした攻略法、キャラクターの共闘など、ボスのHPゲージにより変化するBGM、そのボス戦だけは何度でもやり直したいなと思うぐらいだった。
まとめ
しかし楽しくないところといってもそれぐらいだろうか。このゲームは本当に面白い。多くの人が時間を割いてしまったのも納得の出来である。
本作で学べることは、プレイヤーに自由を与えることのメリットデメリットであると私は思っている。
メリットとしては、自由にやろうと思うことができるのでストレスなく自分だけの冒険ができるということ。これは実に動画配信サービス向けのゲーム性であり、今の時代に合ったゲームである。プレイ済みの人は、他の人はどうやってプレイしたんだろうと動画を見るし、プレイをしたことない人は私だったらこれをしてみたいなと思いゲームを始めるきっかけになる。近年はいかにSNSで話題になるかが重要視される傾向にあるため、いい例となった作品だろう。
デメリットはチュートリアルに沿ってやりたい人は面白くないという点だろうか。このゲームは次に向かうべき場所に正解がなく、NPCもぼんやりとほのめかす程度で強制はしてこない。人によってはそれで何をすればいいのかわからず、手を止めてしまうだろう。これに対する改善点として、モードを実装するのはどうだろうか。自由にやりたい人は誘導が少ないモード、運営が想定したルートではっきりと誘導されたまま順調にやりたい人は誘導が多いモード。制作の手間は増えるが、少しでもプレイヤーを増やすならそうしたほうが良いのだろうと学んだ。
引用
https://youtu.be/r1dytEjbUqo