ベルを待つ
君から電話が来る日。
妻の私は、
そわそわ残ったカレーを食べて、
コーヒーを飲みながら、
悶々と待っています。
夫の病棟に一台だけの公衆電話は、
昼過ぎには順番待ちが、
激しいそうな。
「並んでいる人居るから、余り話せない」
と、君はキョロキョロしながらの電話。
夫との会話は日によりけり。
音楽やテレビやラジオの話。
次の外出や外泊の話。
ほかの家族の話。
不安な事や、体調。
徒然なる儘に話せば、
ゆうに20分、30分。
さて、気になるテレフォンカード代。
昭和かよ。
さて、喧嘩なんかしないで、
楽しく話したいな。
今日も電話のベルを待ちながら、
妻はコーヒー啜ります。