DEATH of a 'Cry Baby'

2015年、初めて見た『DOLL HOUSE』のPVに衝撃を受け彼女の虜になった。

私の概念でもあるDangerousbabyのミューズでもあるCry Babyは
ある時、もう死んだと本人のSNSで伝えられた。

心のどこかで、Cry Babyは普遍で
私が私を見失っても、彼女の世界に戻ればいいと安心していた。

ところが、突然タイムラインに流れてきた知らない風貌。
一瞬何が起きているのか理解出来なかった。

アメリカ人である彼女が記す英文は1割ほどしか読み取れず、誰か翻訳してないか？とググった先には何も無い。
それもそのはず、彼女は'Cry Baby'が死んだことと新しいビジュアルの断片以外何も公表していなかった。

徐々に明かされる新しい姿。
もう私の知っているメラニーはいないのか？
新しいアルバムのタイトルでもある'PORTALS'の全貌が3月末に公開されるという唯一読み取れた情報でその日を待った。

'Cry Baby'は間違いなく社会現象だった。
曲は世界中で大ヒットし、衝撃的なビジュアルや世界観はファッショニスタにも大きな影響を及ぼした。
メラニーのことを知らずとも、
コスプレでツートンのウィッグを被っている人は大勢居たであろう。

余談だが、メラニーのタトゥーに憧れ、その彫り師(メキシコ在住)のアカウントを知って以来その人以外に彫って欲しい人がいないから私は３年以上タトゥーを増やせていない。

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訪れた3月末
今回のアルバムの代表曲でもある『DEATH』が先行リリースしPVがついに公開された。

恐る恐る開くと、
"R.I.P CRY BABY"の文字と共に見慣れた姿のメラニーがそこで眠るように死んでいる。

おおまかに言うと、その魂からPORTALSが生まれ、暗い闇から飛び立っていくというストーリー編成だった。

第一の感想として
「もう死んだ」と言って、それ以来一切出てくることのなかったCry Babyが、
"生まれ変わった"と言った彼女の最初のPVにしっかりと登場したことにかなりの衝撃を受けた。

YouTubeでは、Cry Babyの曲のサムネイルが全て"R.I.P CRY BABY"になっていたし、
メラニーの中にCryBabyの面影を探す事を
本人はもう望んでいないのだと思っていたから。

PVの中でPORTALSがCry Babyを剣で滅多刺しにする描写がある。

一見したらただのグロい映像だと思う。
でも私は1ファンとして、これだけメラニーがCry Babyをフューチャーしてくれたことが嬉しかった。

そしてこの描写によって
「Cry Babyは私がちゃんと埋葬した」
ということを表現したと言えると思ったら鳥肌が立った。
これをメラニーのCry Babyに対する愛と、
Cry Babyのファンに向けた誠意と取らずにどう受け止めようか。

(DEATHの和訳を見ると、完全にそんな内容なので是非そちらも見てみて欲しい。)

Cry Babyを殺したのち、新しく生えた羽根で
地上へと飛び立っていくPORTALS。

彼女の耳、よく見るとシンメトリーに蝶の形をしているのだ。

ここで、ああ、やっぱり私の好きなメラニーだと確信した。

Cry Babyを経てPORTALSになった。
Cry Babyがいなければ PORTALSは居なかった。

鮮やかで美しくて繊細でグロテスクなその世界観で、
生まれ変わることの素晴らしさを伝え、もうCry Babyには戻らない/戻れないことへの覚悟を示してくれた。

(彼女の世界観は複雑に見えるけど、
映像から得られるメッセージはストレートなので英語圏以外でも高く評価されることが頷ける。)

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序盤でも述べたように、Cry Babyは普遍であると勝手に思っていた私は
正直、暫く彼女に特別注目することをしていなかった。
今回のリリースが約4年ぶりであることにも気づいていなかったし、
Cry Babyの死を発表したという事実も、本人のSNSを直接見たのではなくネットニュースの断片の情報。

そして今回、生まれ変わって新しいビジュアルを発表するということを知り、
ああもっとしっかりCry Babyを焼き付けておくんだったと後悔したと同時に、新しいメラニーを好きでいることができるのか？という不安に駆られた。
でもこの変化によって新たな注目を浴びていくことは間違いないし、私のようなファンに対するアプローチとしてはかなりの効力だったと思う。

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Cry Babyを殺すこと。
このことが一番怖かったのはメラニー本人なのは間違いないし、
PORTALSになったことで離れてしまうファンも少なからずいると思う。

でも本当に一から出直したいのなら、
Melanie MartinesはCry Babyのまま終わらせて違う名前で活動することも出来ただろう。
そうせずにMelanie Martinesのまま活動していく彼女の覚悟を私はしっかり見続けたい。

Cry Babyはもう居ないけど、メラニーが作る世界はこれからも続いていく

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追記:憧れでもあった彼女のタトゥーがPORTALSでは完全に消えているので一体どうなってしまったのかすごく気になる