米国株、ダウ続落し96ドル安 最高値圏で利益確定売り ナスダックは反発
米国株、ダウ続落し96ドル安 最高値圏で利益確定売り ナスダックは反発
2024年2月28日 6:40
【NQNニューヨーク=矢内純一】27日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続落し、前日比96ドル82セント(0.24%)安の3万8972ドル41セントで終えた。前週末まで連日で最高値を更新した後で、高値警戒感から利益確定の売りが出た。週内に米連邦準備理事会(FRB)が重視するインフレ指標の発表がある。様子見の雰囲気が強い中で売りが膨らみ、下げ幅が180ドルを超える場面があった。
ダウ平均は今月に入り、前週末までに1000ドル近く上昇し、最高値を更新していた。多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数とハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も最高値圏にあり、主力株の一角に利益確定や持ち高調整の売りが出た。
午前発表の2月の米消費者信頼感指数は前月改定値(110.9)から悪化し、106.7となった。ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(115.1)を大幅に下回り、景気減速の連想につながったのも投資家心理の重荷だった。
29日にFRBがインフレ指標として重視する米個人消費支出(PCE)物価指数(1月分)の発表がある。市場予想を上回る結果となれば、FRBの早期利下げ観測が一段と後退する可能性がある。重要指標の発表を前に買いを控える雰囲気があった。
バイオ製薬のアムジェンと石油のシェブロンが下げた。「米司法省が反トラスト法(独占禁止法)上の調査を始めた」との報道を受け、医療保険のユナイテッドヘルス・グループも売られた。半面、映画・娯楽のウォルト・ディズニーとホームセンターのホーム・デポが上げた。
ナスダック総合株価指数は3営業日ぶりに反発した。前日比59.049ポイント(0.36%)高の1万6035.300で終えた。交流サイトのメタプラットフォームズとネット検索のアルファベットが上昇した。一方、英半導体設計のアーム・ホールディングスが売られた。半導体のエヌビディアは4営業日ぶりに反落した。