米国株、ダウ続落し91ドル安 ハイテク決算控え様子見 ナスダックは反落
米国株、ダウ続落し91ドル安 ハイテク決算控え様子見 ナスダックは反落
2024年10月31日 5:45
【NQNニューヨーク=戸部実華】30日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続落し、前日比91ドル51セント(0.21%)安の4万2141ドル54セントで終えた。四半期決算を発表した銘柄を中心とする売買が目立った。半導体株全体が売られ、投資家心理の重荷となった。通常取引終了後のハイテク大手の決算発表を前に様子見姿勢の投資家も多く、取引終了にかけて下げ幅を広げた。
30日に発表した2024年7〜9月期決算が市場予想を下回ったキャタピラーが2%下げた。ダウ平均の構成銘柄ではないが、半導体のアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)が前日夕に決算とあわせて発表した見通しが物足りないとの受け止めから大幅安となった。同業のクォルボも前日夕発表の決算が市場予想を下回り急落。ほかの半導体銘柄にも売りが波及し、ダウ平均の構成銘柄ではインテルが安い。主要な半導体関連銘柄で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)は3%安となった。
一方、ダウ平均は200ドル超上げる場面もあった。ビザが3%近く上昇した。前日夕発表の24年7〜9月期決算が市場予想を上回り、アナリストによる目標株価の引き上げも相次いだ。同業のアメリカン・エキスプレスも買われた。そのほか、メルクやアマゾン・ドット・コムなどが買われ、指数を下支えした。
30日夕のマイクロソフトやメタプラットフォームズといった主力企業の決算発表を前に「人工知能(AI)関連の需要を確認したい雰囲気が強い」(マーフィー・アンド・シルヴェスト・ウェルス・マネジメントのポール・ノルティ氏)との声が聞かれた。11月1日には10月の米雇用統計の発表、来週には米大統領選挙の投開票や米連邦公開市場委員会(FOMC)を控える。相次ぐ重要イベントを前に積極的な売買は見送られやすいとの指摘もあった。
ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は5営業日ぶりに反落した。前日比104.817ポイント(0.56%)安の1万8607.931で終えた。前日に最高値を更新した後で高値警戒感がくすぶるなか、半導体企業の決算を受けた売りが業界全般に広がり、エヌビディアやクアルコム、マイクロン・テクノロジーなどが下げた。半面、前日夕に発表した決算が市場予想を上回ったアルファベットは買われた。