米国株、ダウ小反落 FRBの利下げが支え ナスダック最高値

米国株、ダウ小反落 FRBの利下げが支え ナスダック最高値

米国・欧州株概況

2024年11月8日 6:26

【NQNニューヨーク=川上純平】7日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3営業日ぶりに小反落し、前日比0ドル59セント安の4万3729ドル34セントで終えた。前日に最高値を更新した後で、主力株に利益確定売りが出た。もっとも、米連邦準備理事会(FRB)が7日に追加利下げを決めたのは相場を下支えした。

5日投開票の米大統領選で共和党候補のトランプ前大統領が勝利を確実にし、次期政権が減税や規制緩和を進めるとの期待から6日のダウ平均は1508ドル高と急伸した。7日は前日に大幅高となった金融株のほか、景気敏感株に利益確定売りが出た。

もっとも、ダウ平均の下値は堅かった。FRBは7日まで開いた米連邦公開市場委員会(FOMC)で、政策金利を0.25%引き下げると決めた。2会合連続の利下げで、金融緩和が米景気を支えるとの観測が改めて意識された。FRBのパウエル議長はFOMC後の記者会見で「インフレはかなり和らいできた」と述べた一方、米経済については「堅調なペースで拡大し続けている」との認識を示した。大統領選の結果は「短期的には我々の政策決定に影響を与えない」と話した。

市場ではFOMCについて「利下げは予想通りで、パウエル議長の会見での発言も特段の驚きはなかった」(シーミス・トレーディングのジョセフ・サルッジ氏)との受け止めがあった。FOMCを無難に通過し、投資家の間で買い安心感が意識された面がある。

ハイテク株の上昇も米株相場を支え、ダウ平均の構成銘柄ではアップルアマゾン・ドット・コムマイクロソフトへの買いが目立った。7日の米債券市場で長期金利は4.3%台前半と、前日終値(4.43%)に比べ低下。高PER(株価収益率)のハイテク株を中心に金利と比べた割高感が薄れた。

個別ではゴールドマン・サックスアメリカン・エキスプレスキャタピラーが下げた。アナリストが投資判断を引き下げたJPモルガン・チェースも安かった。半面、インテルボーイングホーム・デポが上昇した。

ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は3日続伸し、前日比285.993ポイント(1.50%)高の1万9269.459で終えた。初の1万9000台で、連日で最高値を更新した。トランプ氏の選挙活動を支援したイーロン・マスク氏が率いるテスラのほか、エヌビディアが上昇した。

多くの機関投資家が運用指標にするS&P500種株価指数は前日比44.06ポイント(0.74%)高の5973.10で終え、連日で最高値を更新した。

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