米国株、ダウ反落し138ドル安 デル急落が重荷 ナスダック反落

米国株、ダウ反落し138ドル安 デル急落が重荷 ナスダック反落

米国・欧州株概況

2024年11月28日 6:28

【NQNニューヨーク=川上純平】27日の米株式市場でダウ工業株30種平均は6営業日ぶりに反落し、前日比138ドル25セント(0.30%)安の4万4722ドル06セントで終えた。前日にかけて連日で最高値を更新した後で、主力株に利益確定売りが出た。一部の人工知能(AI)関連銘柄が急落したのも投資家心理を冷やした。半面、米経済が底堅さを保っていることからダウ平均の下値は堅かった。

ダウ平均は前日までの5営業日で1600ドルほど上昇した。短期的な過熱感が意識され、主力株には売りが出やすかった。28日は感謝祭の祝日で休場となり、休暇に入る市場参加者も多いことから持ち高調整の売りも出た。

ダウ平均の構成銘柄ではないが、パソコンやサーバーを手掛けるデル・テクノロジーズが12%あまり下落した。26日夕に発表した2024年8〜10月期決算と収益見通しが振るわず、AI向けサーバーが業績を押し上げるとの期待が後退した。ハイテク株の先行きに対して投資家が慎重姿勢を強めた面があり、半導体株なども売られた。

もっとも、米株相場の下値は堅く、ダウ平均は上昇する場面もあった。27日発表の週間の米新規失業保険申請件数は21万3000件と、ダウ・ジョーンズ通信が集計した市場予想(21万5000件)を下回った。労働市場の底堅さを示したとの受け止めが広がり、投資家心理の悪化に歯止めをかけた。

一方、同日発表の10月の米個人消費支出(PCE)物価指数は前月比0.2%の上昇と市場予想に一致した。市場では、米連邦準備理事会(FRB)が12月の会合で利下げを決めるかどうかについては「微妙なバランスだ」(エバコアISIのクリシュナ・グーハ氏)との見方があった。来月発表の雇用・物価指標を確認する必要があるとの指摘もあり、今回のPCE物価指数を材料視する動きは限られた。

ダウ平均の構成銘柄ではセールスフォースやマイクロソフト、エヌビディアといったハイテク株への売りが目立った。キャタピラーも下げた。半面、ウォルト・ディズニーやメルク、ボーイングは買われた。


ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は5営業日ぶりに反落した。前日比115.101ポイント(0.60%)安の1万9060.476(速報値)で終えた。テスラやメタプラットフォームズが下げた。多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数は8営業日ぶりに反落し、終値は0.38%安の5998.74だった。

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