米国株、ダウ続伸し461ドル高 景気敏感株に買い ナスダックは小反発

米国株、ダウ続伸し461ドル高 景気敏感株に買い ナスダックは小反発

米国・欧州株概況

2024年11月22日 6:33

【NQNニューヨーク=戸部実華】21日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続伸し、前日比461ドル88セント(1.06%)高の4万3870ドル35セントで終えた。米経済の底堅さを背景に景気敏感株が買われ、指数を押し上げた。主力ハイテク株の一角が売られた半面、景気敏感株や出遅れ感のあった銘柄への循環物色につながった。ダウ平均の上げ幅は一時600ドルを超えた。

21日発表の週間の新規失業保険申請件数は21万3000件と前週の改定値から6000件減り、ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(22万件)を下回った。労働市場は底堅さを保っていると受け止められた。ダウ平均の構成銘柄ではないが、21日発表の四半期決算が市場予想を上回った建機のディアが大幅高となった。「米経済や企業業績に対する楽観が景気敏感株などへの買いを誘った」(マーフィー・アンド・シルヴェスト・ウェルス・マネジメントのポール・ノルティ氏)との声が聞かれた。

トランプ次期米大統領による減税や規制緩和が景気を押し上げるとの観測が根強く、景気敏感株や内需株の買いにつながったとの見方もあった。内需の中小型株を中心に構成するラッセル2000株価指数は2%近く上昇した。

ダウ平均の構成銘柄ではないが、アルファベットが5%近く下げた。前日に米司法省が裁判所に傘下のグーグルのインターネット閲覧ソフト(ブラウザー)「クローム」事業の売却を含む是正案を提出した。アマゾン・ドット・コムマイクロソフトも売られた。「主力ハイテク株を売って(内需や出遅れ感のあった銘柄など)ハイテク株以外へと資金が向かった」(ジョーンズ・トレーディングのマイケル・オルーク氏)といい、幅広い銘柄への買いを勢いづけた。

ダウ平均は朝方は小幅に下げる場面があった。ウクライナ軍が21日、ロシアが大陸間弾道ミサイル(ICBM)でウクライナ領を攻撃したと発表した。西側諸国はこの見方を否定し、ロシアは中距離弾道ミサイルを発射したとみられる。ウクライナとロシアの戦闘激化への警戒は引き続き投資家心理の重荷となる面があった。

個別銘柄ではシャーウィン・ウィリアムズホーム・デポゴールドマン・サックス、キャタピラーへの買いが目立った。昨年末と比べて株価が下落しているナイキやメルクも買われた。アナリストが目標株価を引き上げたセールスフォースも高い。

エヌビディアは小幅高となった。前日夕に市場予想を上回る四半期決算を発表し、複数のアナリストが目標株価を引き上げた。株式分割後の高値を更新する場面もあったが、買い一巡後は伸び悩み下げる場面もあった。

ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は小幅に反発した。前日比6.277ポイント(0.03%)高の1万8972.420で終えた。巨大ハイテク株の一角が売られた半面、ソフトウエア関連や半導体製造装置株などを中心に買いが入った。

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