米国株、ダウ続落し219ドル安 米景気後退への懸念 ナスダックは反落

米国株、ダウ続落し219ドル安 米景気後退への懸念 ナスダックは反落

米国・欧州株概況

2023年6月24日 5:33 (2023年6月24日 5:38更新)



【NQNニューヨーク=稲場三奈】23日の米株式市場でダウ工業株30種平均は5日続落し、前日比219ドル28セント(0.6%)安の3万3727ドル43セントで終えた。朝方発表の6月の米製造業購買担当者景気指数(PMI、速報値)が米景気の悪化を意識させた。欧州主要国でもPMIの下振れが目立ち、世界的な景気悪化への懸念が高まっていることも米株の投資家心理の重荷となった。前日に上昇したハイテク株への売りも目立った。

S&Pグローバルが朝方発表した6月の米製造業PMIは46.3とダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(49.0)を下回り、前月(48.4)からも低下した。高インフレによるコスト圧力などが影響し、景況感の悪化につながった。

同日に発表された欧州主要国の6月のPMI(速報値)が相次いで市場予想を下回った。一方、各中央銀行はインフレ抑制のために一段の金融引き締めを進める構えをみせている。22日には英イングランド銀行やスイス、ノルウェーなどの中銀が政策金利を引き上げた。

米国でも米連邦準備理事会(FRB)高官から年内の1、2回の利上げに前向きな発言が相次ぐ。サンフランシスコ連銀のデイリー総裁は、年内にあと2回の利上げをするのが「現時点では非常に妥当な見通しだ」と述べたとロイター通信が23日伝えた。一段の金融引き締めが景気後退につながるとの警戒から株売りが広がった。

前日に上げていたハイテク株への売りも株式相場の重荷だった。市場では「このところハイテク株は買われすぎていたため、割高感がある」(ミラー・タバックのマシュー・マリー氏)との声が聞かれた。金融引き締めによる商業用不動産向け融資への懸念から、銀行株も下落した。

個別では、スマートフォンのアップルやソフトウエアのマイクロソフト、金融のJPモルガン・チェースなどが売られた。一方、半導体のインテルや製薬のメルクは上昇。工業製品・事務用品のスリーエムも買いが優勢となった。飲料水汚染を巡る訴訟で和解金の支払いに原告側と合意したことが材料となった。

ダウ平均は週間で571ドル下落した。4週ぶりの下落で、下落幅は3月中旬以来の大きさとなった。

ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は反落した。前日比138.093ポイント(1.0%)安の1万3492.516で終えた。週間では1.4%下落し、9週ぶりに下落した。電気自動車のテスラや画像処理半導体のエヌビディアなどの下げが目立った。

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