米国株、ダウ7日続伸し56ドル高 景気の楽観が支え ナスダック続伸

米国株、ダウ7日続伸し56ドル高 景気の楽観が支え ナスダック続伸

米国・欧州株概況

2023年12月16日 6:59 (2023年12月16日 7:21更新)



【NQNニューヨーク=川上純平】15日の米株式市場でダウ工業株30種平均は7日続伸し、前日比56ドル81セント(0.15%)高の3万7305ドル16セントで終えた。連日で最高値を更新した。米景気の先行きに対する楽観的な見方を背景に買いが続いた。もっとも、高値警戒感から利益確定売りも出やすく、ダウ平均は下げる場面もあった。

米連邦準備理事会(FRB)が来年に利下げに転じるとの見方が引き続き相場を押し上げた。足元にかけては消費や雇用の堅調さを示す経済指標が目立ち、米景気の先行き不安は薄れている。相場の先高観が強く、上昇に乗り遅れまいとする買いが入った。

もっとも、米株相場の上値は重かった。ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁は15日に米CNBCの番組で、FRBの金融政策について「我々は物価上昇率を2%に戻すために引き締めが十分かどうかという問題に集中している」と述べた。2024年3月に利下げする可能性について問われると「考えることすら時期尚早だ」との認識を示し、市場の早期利下げ観測をけん制した。

市場では早ければ3月に最初の利下げがあるとの見方が広がっていたが、ウィリアムズ氏の発言を受けて前のめり気味の期待が修正された。アトランタ連銀のボスティック総裁もロイター通信のインタビューで、物価上昇率の伸びが鈍れば「24年7~9月のどこか」で利下げを開始する可能性があると述べた。これも早期の利下げ観測の後退につながった。

航空機のボーイングや半導体のインテル、顧客情報管理のセールスフォースが上昇した。半面、通信のベライゾン・コミュニケーションズや医薬品・医療機器のジョンソン・エンド・ジョンソン、外食のマクドナルドは下げた。

ダウ平均は週間で1057ドル上げた。上げ幅は11月第1週以来の大きさ。7週連続の上昇は、19年2月にかけての9週連続以来の記録となる。

ハイテク比率が高いナスダック総合株価指数は7日続伸した。前日比52.361ポイント(0.35%)高の1万4813.920と22年1月以来の高値で終えた。半導体のエヌビディアや電気自動車のテスラが上昇した。

多くの機関投資家が運用指標にするS&P500種株価指数は7営業日ぶりに反落し、前日比0.36ポイント安い4719.19で終えた。週間では2.5%上げ、7週連続で上昇した。17年11月にかけての8週連続以来の長期連騰となった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?