米国株、ダウ反落し136ドル安 FOMC声明「タカ派」との受け止め ナスダックも反落
米国株、ダウ反落し136ドル安 FOMC声明「タカ派」との受け止め ナスダックも反落
2025年1月30日 6:50
【NQNニューヨーク=矢内純一】29日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3営業日ぶりに反落し、前日比136ドル83セント(0.30%)安の4万4713ドル52セントで終えた。米連邦準備理事会(FRB)は29日まで開いた米連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利を据え置いた。声明文で今後の利下げに慎重な姿勢を示したとの受け止めから株売りが優勢だった。FOMC結果公表直後にダウ平均の下げ幅は200ドルを超える場面があった。
FRBは政策金利を4.25〜4.5%に据え置いた。据え置きは大方の予想通りだった。声明文では、労働市場についての認識を「概して緩みつつある」から「底堅い」に修正。物価動向を巡っては、「(物価上昇率が)2%の目標に向けて進展してきた」との表現を削除した。市場では、「(利下げに慎重な)タカ派の姿勢を示す内容だった」(ジョーンズ・トレーディングのマイケル・オルーク氏)との受け止めがあった。
パウエル議長は記者会見で「経済は好調さを維持しており、政策スタンスの調整を急ぐ必要はない」と述べた。声明文での一部表現の削除については「文章を短くしただけだ」と語り、米経済が2%の物価目標に進んでいるとの見方を示した。市場では「声明文の変化に特別な意図はない」(Bライリーのアート・ホーガン氏)との指摘もあった。株売り一巡後はダウ平均はやや下げ幅を縮めた。
29日の通常取引終了後にはマイクロソフト、メタプラットフォームズ、テスラが四半期決算を発表する。中国企業の低コスト人工知能(AI)が及ぼす米ハイテク企業への影響に関心が高まるなか、決算の内容や経営陣の発言を見極めたいと買いを手控える雰囲気もあった。
ダウ平均の構成銘柄では、エヌビディアが4%あまり下落した。米ブルームバーグ通信が29日午後、「トランプ政権がエヌビディアに対し、中国向けの販売規制を強化することを検討している」と伝え、材料視された。ボーイングとセールスフォースも下げた。半面、ナイキやIBMが買われた。
ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は反落した。前日比101.263ポイント(0.51%)安の1万9632.323(速報値)で終えた。テスラや情報セキュリティーのパロアルト・ネットワークスが下げた。