米国株、ダウ反発し168ドル高 好決算が支え、関税懸念は重荷 ナスダック反発

米国株、ダウ反発し168ドル高 好決算が支え、関税懸念は重荷 ナスダック反発

米国・欧州株概況

2025年1月31日 6:36

【NQNニューヨーク=川上純平】30日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反発し、前日比168ドル61セント(0.37%)高の4万4882ドル13セントで終えた。一部の主力株に決算を好感した買いが集まり、指数を押し上げた。もっとも、トランプ米大統領による関税引き上げへの懸念は株価の重荷となり、主力株への売りを誘った。

ダウ平均の構成銘柄ではIBMが13%ほど上昇した。29日夕発表の四半期決算で1株利益が市場予想以上だった。人工知能(AI)関連の需要が収益を支えた。ダウ平均の構成銘柄以外では決算発表したメタプラットフォームズやテスラが買われた。

メタは決算説明会で、AI関連投資を重視する方針を改めて示した。中国のAI企業であるDeepSeek(ディープシーク)が低コストの高性能AIを開発したことで投資が鈍るとの懸念が広がった後で、投資家心理の改善につながった面がある。ダウ平均は一時4万5008ドルと、昨年12月に付けた最高値(4万5014ドル)に迫る場面があった。

ダウ平均は取引終了前に急速に伸び悩む場面があった。トランプ米大統領がカナダとメキシコに対して25%の関税を課す考えを改めて示したとロイター通信が報じ、主力株に利益確定売りが広がった。物価上昇圧力が高まるとの見方から米長期金利が水準をやや切り上げたのも米株相場の重荷だった。

30日朝発表の2024年10〜12月期の米実質国内総生産(GDP)は前期比年率2.3%増と、ダウ・ジョーンズ通信が集計した市場予想(2.5%増)を下回った。ただ、個人消費は堅調で、市場では「米連邦準備理事会(FRB)が静観するのを裏付けるデータだ」(CIBCキャピタル・マーケッツのアリ・ジャフェリー氏)との受け止めがあった。パウエルFRB議長は29日の米連邦公開市場委員会(FOMC)後の記者会見で追加利下げに慎重な見方を示していた。

ダウ平均の構成銘柄ではボーイングやナイキも上昇した。半面、マイクロソフトの下げが目立った。前日夕発表の四半期決算で示した売上高見通しが市場予想に届かず、米株相場の重荷となった。キャタピラーセールスフォースアップルも売られた。

ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は反発した。前日比49.426ポイント(0.25%)高の1万9681.749(速報値)で終えた。ブロードコムやアルファベットが上昇した。

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