米国株、ダウ続落し251ドル安 ハイテク株売り続く ナスダックも続落
米国株、ダウ続落し251ドル安 ハイテク株売り続く ナスダックも続落
2023年10月27日 5:31
【NQNニューヨーク=横内理恵】26日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続落した。前日比251ドル63セント(0.76%)安の3万2784ドル30セントと、5月下旬以来の安値で終えた。ダウ平均の構成銘柄ではないが、25日夕発表の四半期決算を材料に交流サイトのメタプラットフォームズが売られた。年初来での上げを保つ大型ハイテク株全般に割高感が意識されたといい、ソフトウエアのマイクロソフトやスマートフォンのアップルなどに売りが波及した。
メタは7%近く下げる場面があった。2023年7~9月期決算は市場予想を上回る増収増益だったものの、決算説明会で中東情勢が広告需要に与える影響に言及し、業績不透明感が広がった。前日には24日夕に決算発表したネット検索のアルファベットが急落していた。経営環境の厳しさから市場の期待ほどには業績や見通しが盤石ではなく、「割高感が意識された」(インガルズ・アンド・スナイダーのティモシー・グリスキー氏)との声があった。
朝方発表の7~9月期の米実質国内総生産(GDP)速報値は前期比年率4.9%増と4~6月期(2.1%増)から強まり、ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(4.7%増)を上回った。ただ、金融引き締めが続くなかで高成長が続くとみる参加者は少なかった。7~9月期の米個人消費支出(PCE)物価指数のエネルギー・食品を除くコア指数の伸びは前期比年率2.4%と4~6月期(3.7%)から鈍化し、インフレ減速基調を示したと受け止められた。
米債券市場で長期金利は一時前日比0.12%低い4.83%に低下した。株式の相対的な割高感が薄れたとの見方から、ダウ平均は上げに転じる場面があった。ただ、足元の米景気の強さや米国債の需給懸念から米長期金利は高止まりする可能性が高い。26日未明には5%に近づく場面もあり、金利の低下を手がかりとした買いは続かなかった。
マイクロソフトが4%弱、アップルは2%強下げた。スポーツ用品のナイキやクレジットカードのビザなど消費関連株も売られた。一方、25日夕発表の四半期決算で売上高などが市場予想を上回ったIT(情報技術)のIBMが上昇した。
ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は続落した。前日比225.619ポイント(1.75%)安の1万2595.605と5月下旬以来の安値で終えた。電気自動車のテスラや画像処理半導体のエヌビディアの下げが目立った。