米国株、ダウ続伸し236ドル高 景気懸念の後退で ナスダック8日続伸
米国株、ダウ続伸し236ドル高 景気懸念の後退で ナスダック8日続伸
2024年8月20日 5:47
【NQNニューヨーク=川上純平】19日の米株式市場でダウ工業株30種平均は5日続伸した。前週末比236ドル77セント(0.58%)高の4万0896ドル53セントと、7月17日以来の高値で終えた。米経済が大幅に悪化するとの懸念が後退しており、主力株に買いが入った。もっとも、このところ上昇が続いたことから持ち高調整の売りも出やすく、ダウ平均の上値は重かった。
前週発表の経済指標がインフレの鈍化や消費の底堅さを示したことが買い安心感につながり、投資家心理を支えている。ゴールドマン・サックスは米経済が1年以内に景気後退に陥る確率を25%から20%に引き下げた。来月発表の8月の米雇用統計が堅調な内容になれば、景気後退の確率はさらに下がるとみている。
米紙ウォール・ストリート・ジャーナルが19日に公開したインタビュー記事によれば、ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁は米国のインフレが鈍化し「労働市場が懸念すべき兆候を示している」として米連邦準備理事会(FRB)による9月の利下げを支持する考えを示唆した。利下げが景気を支えるとの見方が改めて意識され、主力株への買いを促した面もある。
もっとも、米株相場は上値の重さも意識された。ダウ平均は前週に1162ドル上昇し、週間では今年最大の上げ幅となった。米主要株価指数は8月初旬の急落前の水準を回復しており、持ち高調整の売りも出やすかった。カンザスシティー連銀主催の経済シンポジウム(ジャクソンホール会議)でパウエルFRB議長が23日に講演するのを前に、様子見の投資家も多かった。
個別ではマクドナルドの上昇が目立った。アナリストが米国事業の先行きに強気の見方を示し、好感された。インテルやウォルト・ディズニーも買われた。半面、ダウやビザ、ボーイングは下げた。
ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は8日続伸し、前週末比245.051ポイント(1.38%)高の1万7876.771と7月23日以来の高値で終えた。8日続伸は昨年12月以来の長さ。アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)の上昇が目立った。サーバーの製造やデザインを手掛ける企業を買収すると発表し、好感された。エヌビディアも買われた。
多くの機関投資家が運用指標にするS&P500種株価指数は8日続伸し、前週末比54.00ポイント(0.97%)高の5608.25と7月16日以来の高値で終えた。8日続伸は昨年10〜11月以来の長さ。
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