米国株、ダウ14日ぶり反落 米利上げ継続観測が再燃 ナスダックは続落
米国株、ダウ14日ぶり反落 米利上げ継続観測が再燃 ナスダックは続落
2023年7月28日 5:04
【NQNニューヨーク=戸部実華】27日の米株式市場でダウ工業株30種平均は14営業日ぶりに反落し、前日比237ドル40セント安の3万5282ドル72セント(速報値)で終えた。朝方は買いが先行したものの、次第に売り優勢に転じ、午後に下げ幅を拡大した。米経済の強さを背景に利上げが継続する可能性が意識された。米長期金利が大幅に上昇し、株式の相対的な割高感が出たとの見方も重荷となった。ダウ平均は前日まで13日連騰した後で、利益確定売りが広がった。
27日発表の米経済指標は軒並み米景気の強さを示した。2023年4~6月期の実質国内総生産(GDP)速報値は前期比年率2.4%増と、23年1~3月期(2.0%増)並みになるとの市場予想を上回った。6月の耐久財受注は前月比4.7%増と市場予想(1.5%増)以上だった。週間の新規失業保険申請件数は増加を見込んだ市場予想に反して前週から減り、労働需給の引き締まりを映した。
米連邦準備理事会(FRB)は7月の会合を最後に利上げを停止するとの観測が、足元の株高を支える一因となってきた。だが、27日の市場では「これだけ米経済が強さを維持する環境で、FRBの利上げが終わったと判断するのは早計だ」(マーフィー・アンド・シルヴェスト・ウェルス・マネジメントのポール・ノルティ氏)との見方が次第に広がったという。
米長期金利は午後にかけて上昇幅を拡大し、一時は前日比0.15%高い4.02%を付けた。ダウ平均は前日までの13連騰で1800ドル近く上昇しており、金利上昇も利益確定売りを促すきっかけとなった。
ダウ平均は午後に売りが広がる前は、125ドル高となる場面があった。企業業績の改善への期待は相場を支えた。ダウ平均の構成銘柄ではないが、交流サイトのメタプラットフォームズは26日夕に市場予想を上回る23年4~6月期決算や7~9月期の売上高見通しを発表した。27日は大幅高となり、投資家心理を上向けた。
ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は続落し、前日比77.175ポイント安の1万4050.107(速報値)で終えた。