米国株、ダウ3日続伸し134ドル高 米長期金利の低下が支え、ナスダックも続伸

米国株、ダウ3日続伸し134ドル高 米長期金利の低下が支え、ナスダックも続伸

米国・欧州株概況

2023年10月11日 5:28



【NQNニューヨーク=横内理恵】10日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3日続伸し、前日比134ドル65セント(0.40%)高の3万3739ドル30セントで終えた。米連邦準備理事会(FRB)の追加利上げ観測が後退したとの受け止めから米長期金利が大幅に低下。株式の相対的な割高感が和らいだことが買いを誘った。自律反発を期待した買いも入ったが、中東情勢を巡る地政学リスクへの警戒感から次第に伸び悩んだ。

10日の米債券市場で長期金利が一時4.61%と前週末の終値(4.80%)から0.2%近く低下した。9日にFRBのジェファーソン副議長やダラス連銀のローガン総裁、前週にはサンフランシスコ連銀のデイリー総裁が足元の長期金利の急上昇で金融環境が引き締まったことを理由に一段の利上げに慎重な見方を示していた。アトランタ連銀のボスティック総裁も10日、「これ以上利上げする必要があるとは考えていない」と改めて主張した。

中東情勢の悪化は市場心理の重荷だったが、状況や展開を見極めたいとする市場参加者は多い。10日は相対的に安全な資産とされる米国債が買われた。金利低下を見た株買いが入り、ダウ平均は290ドルあまり上げる場面があった。

ダウ平均は前週に約4カ月ぶりの安値を付け、8~9月の2カ月間で2000ドルあまり下げていた。「売られすぎ」(シーミス・トレーディングのジョゼフ・サルッジ氏)との見方があり、金利上昇が一服したのを機に目先の戻りを見込んだ買いが入ったとの声もあった。

ダウ平均では航空機のボーイングや飲料のコカ・コーラの上昇が目立った。一方、保険のトラベラーズや製薬のメルクが下げた。

ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は3日続伸し、前日比78.605ポイント(0.58%)高の1万3562.844で終えた。電気自動車のテスラや交流サイトのメタプラットフォームズが上げた。

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