米国株、ダウ小幅反落し11ドル安 利下げ先送り観測根強く ナスダック小幅続伸
米国株、ダウ小幅反落し11ドル安 利下げ先送り観測根強く ナスダック小幅続伸
2024年4月9日 5:48
【NQNニューヨーク=川上純平】8日の米株式市場でダウ工業株30種平均は小幅に反落し、前週末比11ドル24セント(0.02%)安の3万8892ドル80セントで終えた。米連邦準備理事会(FRB)の利下げが先送りされるとの観測が株価の重荷となった。半面、前週に大きく下げた後で、景気敏感株を中心に押し目買いが入り、指数を支えた。
前週末発表の3月の米雇用統計は賃金インフレの加速を示さなかったものの、FRBの利下げが遠のき、足元で堅調な米経済が失速しかねないとの懸念は根強い。米金利先物の値動きから市場が織り込む政策金利予想を算出する「フェドウオッチ」によると、6月会合での利下げ確率は5割と、利下げ見送りの確率と拮抗している。
JPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモン最高経営責任者(CEO)は8日に公表した「株主への手紙」で「市場の予想よりもしつこいインフレが続き、金利がより高くなるかもしれない」との懸念を示した。ニューヨーク連銀が8日に発表した3月の消費者調査では1年後の予想インフレ率が3%と、2月と同水準だった。
10日には3月の米消費者物価指数(CPI)の発表を控える。FRBの利下げ方針を見極める上で注目度が高く、様子見の投資家も多かった。ダウ平均の構成銘柄では、インテルやアップルが下落した。メルクやコカ・コーラ、ボーイングも下げた。
ダウ平均は高く推移する場面もあった。前週に903ドル安と、週間の下げ幅としては2023年3月以来の大きさだった。市場予想を上回る景気指標や利下げに慎重なFRB高官の発言が売りを誘った。8日はナイキやホーム・デポ、ゴールドマン・サックスなど前週に下げた銘柄に買いが入り、相場を下支えした。
ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は小幅に続伸した。前週末比5.435ポイント(0.03%)高の1万6253.955で終えた。テスラが大幅に上昇。自動運転タクシー「ロボタクシー」を8月に発表すると明らかにし、好感された。アルファベットにも買いが入った。