米国株、ダウ反落し388ドル安 金利の上昇が重荷 ナスダック4カ月ぶり安値米国・欧州株概況

米国株、ダウ反落し388ドル安 金利の上昇が重荷 ナスダック4カ月ぶり安値
米国・欧州株概況
2023年9月27日 5:51 (2023年9月27日 6:04更新)

【NQNニューヨーク=矢内純一】26日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反落した。前日比388ドル00セント(1.14%)安の3万3618ドル88セントで終えた。6月6日以来の安値。米長期金利が上昇し、株式の相対的な割高感が意識されたことが重荷となった。政府機関が一部閉鎖になるリスクも投資家心理の悪化につながり、ダウ平均は430ドル強安となる場面があった。

1日の下げ幅としては、3月22日(530ドル)以来の大きさとなった。金融引き締めが長期化するとの観測が広がっており、26日の米債券市場では長期金利が一時4.56%と2007年10月以来の高水準を付けた。金利の上昇で、相対的な割高感が強まったとみられた株式に売りが出やすかった。ドルが主要通貨に対して上昇し、米企業の海外事業の収益が目減りするとの見方も、株式相場の重荷となった。

今年の米連邦公開市場委員会(FOMC)で投票権を持つミネアポリス連銀のカシュカリ総裁は26日に同連銀のサイトに公開した論文で、0.25%の利上げをした後も米経済がソフトランディング(軟着陸)できる確率が60%との見方を示した。インフレが想定以上に根強いケースについても触れており、総じて金融引き締めに積極的な内容と受け止められた。

米議会の予算協議が難航しており、新しい会計年度が始まる10月1日までに新年度の予算案が成立しなければ、政府機関の一部が閉鎖される可能性がある。25日には格付け会社が政府機関の閉鎖を格付けにネガティブとの見方を示しており、市場では「米国債の格下げリスクが意識され、投資家心理の悪化につながった」(ワシントン・クロッシング・アドバイザーズのチャド・モーガンランダー氏)との見方があった。

26日午前発表の9月の米消費者信頼感指数は前月の改定値から5.7ポイント低下の103.0と、ダウ・ジョーンズ通信が集計した市場予想(105.5)を下回った。8月の新築住宅販売件数も市場予想に届かなかった。高金利のもとで米景気が悪化しているとの見方も株売りにつながった。

個別では、金利上昇で高PER(株価収益率)のハイテク株が売られやすく、スマートフォンのアップルとソフトウエアのマイクロソフトが下げた。建機のキャタピラーや航空機のボーイングといった景気敏感株にも売りが出た。

ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は反落した。前日比207.710ポイント(1.56%)安の1万3063.610と、およそ4カ月ぶりの安値で終えた。

ネット通販のアマゾン・ドット・コムが4%安。米連邦取引委員会(FTC)が反トラスト法(独占禁止法)に違反した疑いで提訴し、売りに押された。ネット検索のアルファベットと電気自動車のテスラも下げた。

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