米国株、ダウ反落し45ドル安 決算銘柄の売り重荷に ナスダックは小幅続伸

米国株、ダウ反落し45ドル安 決算銘柄の売り重荷に ナスダックは小幅続伸

米国・欧州株概況

2023年11月17日 6:28



【NQNニューヨーク=戸部実華】16日の米株式市場でダウ工業株30種平均は5営業日ぶりに反落し、前日比45ドル74セント(0.13%)安の3万4945ドル47セントで終えた。決算発表で市場予想を下回る見通しを発表した銘柄を中心に売られ、ダウ平均の重荷となった。このところ相場の上昇が続いた後で、主力銘柄の一部には利益確定や持ち高調整の売りも出やすかった。


ネットワーク機器のシスコシステムズは10%弱下げた。前日夕に四半期決算と同時に示した通期の売上高見通しが市場予想を下回った。小売りのウォルマートも16日朝に四半期決算と併せて発表した通期の1株利益見通しが市場予想以下だったことが嫌気され、8%安となった。市場では「IT(情報技術)と消費関連の企業の業績に対する先行き懸念は市場心理の悪化につながった」(ミラー・タバックのマシュー・マリー氏)との声が聞かれた。


今週発表が相次いだ10月の米消費者物価指数(CPI)など物価指標が市場予想を下回り、米連邦準備理事会(FRB)による利上げ局面が終わったとの見方が広がった。ダウ平均は直近4営業日で1000ドルあまり上昇し、前日には8月中旬以来の高値で終えていた。短期的な過熱感が意識されやすく「株買いが一服してもおかしくない」(トゥルイスト・アドバイザリー・サービシズのキース・ラーナー氏)との見方が出ていた。ダウ平均の下げ幅は170ドルを超える場面があった。


もっとも、売り一巡後は取引終了にかけて下げ渋った。朝発表の週間の新規失業保険申請件数は市場予想以上に前週から増えたうえ、前回分も小幅に上方修正された。労働需給の逼迫が緩和していると受け止められ、FRBの金融引き締めの長期化観測が一段と後退した。米債券市場では長期金利が低下し、株式の相対的な割高感が薄らいだことは投資家心理の支えとなった。


個別銘柄では、ドラッグストアのウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンスや航空機のボーイングが安い。米原油先物相場が大幅に下落し、業績懸念から石油のシェブロンや建機のキャタピラーも売られた。半面、アナリストが投資判断を引き上げた半導体のインテルは7%弱高となった。外食のマクドナルドのほか、ソフトウエアのマイクロソフトやスマートフォンのアップルも上昇した。


ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は小幅に3日続伸した。前日比9.837ポイント(0.06%)高の1万4113.673と、連日で8月上旬以来の高値で終えた。ネット検索のアルファベットや画像処理半導体のエヌビディアが買われた。

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