米国株、ダウ続伸し228ドル高 米景気への楽観姿勢から買い ナスダックは反発
米国株、ダウ続伸し228ドル高 米景気への楽観姿勢から買い ナスダックは反発
2024年8月31日 5:56
【NQNニューヨーク=稲場三奈】30日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続伸し、前日比228ドル03セント(0.55%)高の4万1563ドル08セントで終え、連日で過去最高値を更新した。米経済が底堅さを保つなか、米連邦準備理事会(FRB)が9月に利下げを始めるとの見方が引き続き投資家心理を支えた。
朝発表の7月の米個人消費支出(PCE)物価指数は前月比で0.2%上昇し、ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想に一致した。食品とエネルギーを除くコア指数も市場予想と同じ0.2%上昇だった。コア指数の前年同月比の上昇率は2.6%と市場予想(2.7%)をやや下回った。FRBが9月から利下げを始めるとの観測を支える内容だった。
市場では、「FRBがゆっくりと段階的な利下げを始めるとの見方が広がった」(インタラクティブ・ブローカーズのホセ・トーレス氏)との声が聞かれた。利下げが経済を支えるという先行きへの楽観的な見方も株式相場を支えた。売り方の買い戻しも入り、大引けにかけて上げ幅を広げた。
ダウ平均は最高値の更新が続いており、主力銘柄の一部には利益確定の売りも出た。9月2日がレーバーデーの祝日で休場となる。3連休を前に持ち高調整の売りも出て、ダウ平均が下落に転じる場面もあった。
個別では、インテルが9.5%高で終えた。経営不振が続く中で半導体の受託生産(ファウンドリー)事業の分離や増産計画の見直しなどのリストラ策を検討していると伝わり、買いを誘った。アマゾン・ドット・コムやIBM、キャタピラーなども上昇した。半面、セールスフォースやアメリカン・エキスプレス、アップルは売られた。
ダウ平均は月間で720ドル上昇した。上昇は4カ月連続。前半には7月の雇用統計が市場予想を下回る内容だったことなどから、米景気が市場の想定以上に冷え込んでいるとの懸念が台頭。リスク回避の売りが膨らみ、5日に3万8703ドルと6月中旬以来の安値を付けた。その後はインフレの沈静化や経済の底堅さを示す指標が相次いだほか、FRBのパウエル議長が9月の利下げ開始を示唆し、株価は急ピッチで回復した。
ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は3日ぶりに反発した。前日比197.193ポイント(1.12%)高の1万7713.624で終えた。前日夕に決算を発表した半導体のマーベル・テクノロジーも大幅高で終えた。テスラやエヌビディアも上昇した。