米国株、ダウ反落し225ドル安 インフレの強さ示すCPI受け ナスダックは小反発

米国株、ダウ反落し225ドル安 インフレの強さ示すCPI受け ナスダックは小反発

米国・欧州株概況

2025年2月13日 6:34

【NQNニューヨーク=稲場三奈】12日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3営業日ぶりに反落し、前日比225ドル09セント(0.50%)安の4万4368ドル56セントで終えた。朝発表の1月の米消費者物価指数(CPI)が市場予想以上だった。インフレが高止まりし、米連邦準備理事会(FRB)による次の利下げが一段と遠のいたとの観測から、売りが広がった。ダウ平均の下げ幅は480ドルあまりとなる場面があった。

1月の米CPIは前月比0.5%上昇し、ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(0.3%上昇)に反して前月(0.4%上昇)から伸びが加速した。鳥インフルエンザの影響で鶏卵など食品が値上がりした。前年同月比でも3.0%上昇と、市場予想(2.9%上昇)を上回った。食品とエネルギーを除くコアの上昇率は前月比で0.4%、前年同月比で3.3%と、いずれも市場予想(0.3%、3.1%)以上だった。

市場では、「物価上昇圧力の粘り強さを示す内容だった。FRBの利下げは少なくとも年後半以降になるだろう」(インタラクティブ・ブローカーズのホセ・トーレス氏)との声が聞かれた。米債券市場では米CPIの発表後に長期金利が上昇。一時は前日比0.13%高い(債券価格は安い)4.66%を付け、株式には相対的な割高感を意識した売りが出た。

パウエルFRB議長は12日の米連邦議会下院での証言で、「今は政策金利を制限的な水準で維持したい」と語ったと伝わった。前日にも利下げに急がない姿勢を示していたこともあり、「CPIを受け、FRBが当面利下げを見送るとの観測の確度が高まっただけ」(ニューブリッジ・セキュリティーズのドナルド・セルキン氏)との見方もあった。売りが一巡すると、ダウ平均は下げ幅を縮めた。

トランプ政権の相互関税を巡って、トランプ大統領が自動車や薬品などを含む例外を検討していると米連邦議会下院のジョンソン議長が語ったとロイター通信が12日に報じた。関税に対するリスク回避の姿勢がやや後退したことも株式相場を支えた面があった。

個別では、キャタピラーホーム・デポアマゾン・ドット・コムが売られた。シャーウィン・ウィリアムズシェブロンも安かった。半面、ボーイングアップル、ナイキやセールスフォースは買われた。

ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は小幅に反発した。前日比6.095ポイント(0.03%)高の1万9649.951(速報値)で終えた。テスラの上昇が目立った。メタプラットフォームズは18日続伸した。

いいなと思ったら応援しよう!