米国株、ダウ続伸し211ドル高 ディフェンシブ株に買い ナスダックは続落
米国株、ダウ続伸し211ドル高 ディフェンシブ株に買い ナスダックは続落
米国・欧州株概況
2024年4月20日 5:39
【NQNニューヨーク=稲場三奈】19日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続伸し、前日比211ドル02セント(0.55%)高の3万7986ドル40セントで終えた。決算の内容が評価された銘柄やディフェンシブ株の一角に買いが入った。一方、インフレの高止まりへの懸念が根強いなか、ハイテク関連株に売りが出て相場の重荷となった。
アメリカン・エキスプレスが6%高で終え、ダウ平均を押し上げた。朝方発表の2024年1〜3月期決算では売上高と1株利益が市場予想を上回り、好感した買いが集まった。プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)も上昇。24年1〜3月期決算と併せて示した24年6月期通期の見通しを上方修正し、買い材料となった。
米東部時間18日夜にはイスラエルがイランを空爆したと伝わった。その後イスラエルによる報復攻撃は限定的にとどまりそうだとの見方が広がり、投資家の過度なリスク回避の動きはいったん落ち着いた。ただ、中東情勢が一段と悪化することへの懸念は根強い。ダウ平均の構成銘柄ではユナイテッドヘルス・グループやメルク、ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)といったディフェンシブ株の一角に買いが入った。
米景気の強さを背景に、このところ米連邦準備理事会(FRB)高官からは利下げ転換に慎重な発言が相次いでいる。シカゴ連銀のグールズビー総裁は19日、直近3カ月の米経済指標が底堅さを示したことを受け、「(利下げに)動く前に、(インフレの沈静化が)はっきりするのを待つのが理にかなっている」と語った。
FRBによる利下げ開始の時期が不透明になるなかで、金利の上昇局面で売られやすいハイテク株を中心に下げが目立った。市場では「(今後発表される)決算で業績が市場予想を上回っても、マクロ環境の不確実性が上値を抑えやすい」(インガルズ・アンド・スナイダーのティモシー・グリスキー氏)との声が聞かれた。ダウ平均の構成銘柄では、マイクロソフトやアップルが売られた。
その他の個別銘柄では、JPモルガン・チェースやコカ・コーラが上昇した。一方、ナイキやビザは下げた。
ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は6日続落した。前日比319.489ポイント(2.04%)安の1万5282.010で終えた。6日続落は22年10月上旬以来、およそ1年半ぶり。週間では893ポイント(5.5%)安となった。
ネットフリックスが9%安で終えた。前日夕に発表した24年1〜3月期決算は市場予想を上回る内容だったが、24年12月期通期の売上高見通しが慎重との受け止めから、売りが膨らんだ。エヌビディアは10%安、メタプラットフォームズは4%安と下げが目立った。
多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数は6日続落し、前日比43.89ポイント(0.87%)安の4967.23で終えた。5000を下回って終わるのは2月下旬以来、およそ2カ月ぶりとなった。