米国株、ダウ反発し139ドル高 ディフェンシブ株に買い ナスダックは反落
米国株、ダウ反発し139ドル高 ディフェンシブ株に買い ナスダックは反落
2024年11月21日 6:34
【NQNニューヨーク=矢内純一】20日の米株式市場でダウ工業株30種平均は5営業日ぶりに反発し、前日比139ドル53セント(0.32%)高の4万3408ドル47セントで終えた。ディフェンシブ株の一角に買いが入り、指数を押し上げた。半面、ウクライナとロシアを巡る地政学リスクが引き続き投資家心理の重荷となり、ダウ平均は下げる場面があった。
前日までの4営業日で700ドル近く下げた後で、値ごろ感を意識した買いが入りやすかった。個別では、ユナイテッドヘルス・グループやアムジェンへの買いが目立ち、ダウ平均は取引終盤にかけて上げ幅を広げた。エヌビディアが取引終了後に四半期決算を発表する前で、「内容を見極めたいと様子見の投資家が多く、値動きがやや大きくなりやすかった」(Bライリーのアート・ホーガン氏)との指摘があった。
エヌビディアは下落した。市場では「ハイテク株の持ち高を整理したい投資家が多い」(インガルズ・アンド・スナイダーのティモシー・グリスキー氏)との声があり、アマゾン・ドット・コムやマイクロソフトも下げた。
ダウ平均は安く推移する時間帯が長く、下げ幅は190ドルを超える場面があった。20日午前にウクライナ軍が英国製の巡航ミサイルをロシア領内に向け発射したと伝わった。19日には米国が供与した長距離射程のミサイルでロシアの軍事施設を攻撃した。ウクライナとロシアを巡る緊張が高まっており、市場心理に影響した。
ダウ平均の構成銘柄ではないが、小売りのターゲットが2割あまり下落した。20日朝に発表した2024年8〜10月期決算は売上高が市場予想に届かなかったうえ、収益見通しも慎重との受け止めから売りが広がった。
そのほかのダウ平均の構成銘柄では、ウォルト・ディズニーやシェブロンが上昇した。半面、ホーム・デポとビザが下げた。
ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は3営業日ぶりに反落した。前日比21.325ポイント(0.11%)安の1万8966.143で終えた。