米国株、ダウ反落し195ドル安 原油高でインフレ懸念 ナスダック続落

米国株、ダウ反落し195ドル安 原油高でインフレ懸念 ナスダック続落

米国・欧州株概況

2023年9月6日 5:48



【NQNニューヨーク=川上純平】5日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反落し、前営業日の1日に比べ195ドル74セント(0.6%)安の3万4641ドル97セントで終えた。主要産油国の減産継続方針を受けて原油相場が上昇し、米国の物価上昇率が再び高まるとの警戒が広がった。米長期金利が上昇し、株式の相対的な割高感が意識されたのも重荷だった。

サウジアラビアは5日、これまで続けてきた原油の自主減産を年末まで延長すると表明した。原油需給の引き締まりにつながるとの見方から米原油先物相場は一時1バレル88ドル台と昨年11月以来の高値を付けた。原油の価格上昇が続けばインフレ圧力が再び高まり、米連邦準備理事会(FRB)が長期にわたって政策金利を高く維持するとの懸念が広がった。

5日の米債券市場で長期金利が上昇(債券価格が下落)し、4.2%台後半に達する場面があった(前営業日の終値は4.18%)。ゴールドマン・サックスは4日付で米経済が今後12カ月で景気後退入りする確率を従来予想から5ポイント引き下げ15%とした。「浅く、短い」(ヤン・ハチウス氏)景気減速にとどまると予想する。米景気の底堅さが続くとの見方もFRBの金融引き締めが長期化するとの観測を誘った面がある。

朝方は買いが先行し、ダウ平均は上昇する場面があった。ただ、買いは長く続かず、取引終了にかけて下げ幅を広げた。中国や欧州の景気減速への懸念が、相対的に米国外の売上高が高い景気敏感株を中心に重荷となった面がある。

ダウ平均の構成銘柄では、スポーツ用品のナイキや化学のダウ、建機のキャタピラーが下げた。半面、ソフトウエアのマイクロソフトや医療保険のユナイテッドヘルス・グループは上昇。原油高で石油のシェブロンも買われた。

ハイテク比率が高いナスダック総合株価指数は続落した。前営業日に比べ10.863ポイント(0.1%)安の1万4020.952で終えた。ネット通販のアマゾン・ドット・コムが下げた。中国生産車の販売増が伝わった電気自動車のテスラは5%高で終え、指数を下支えした。

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