米国株、ダウ7日ぶり反落し232ドル安 利上げ長期化観測重荷

米国株、ダウ7日ぶり反落し232ドル安 利上げ長期化観測重荷

米国・欧州株概況

2023年6月15日 5:24



【NQNニューヨーク=横内理恵】14日の米株式市場でダウ工業株30種平均は7営業日ぶりに反落し、前日比232ドル79セント(0.7%)安の3万3979ドル33セントで終えた。米連邦準備理事会(FRB)が米連邦公開市場委員会(FOMC)後に発表した2023年の政策金利見通しは市場の予想を上回る水準に上方修正され、米利上げ長期化が意識された。

FRBはFOMCで11会合ぶりに政策金利の据え置きを決めた。一方、参加者の23年の政策金利見通しは年内に0.25%の利上げ2回を織り込む水準に切り上がった。市場では0.25%の利上げ1回を織り込むとの予想が多かった。FOMC後にダウ平均は400ドルあまり下げる場面があった。

パウエル議長もFOMC後の記者会見で「ほぼすべての参加者が年末までにいくらか利上げするのが適切になるだろうと考えている」と利上げ再開を示唆した。ただ、7月会合での利上げについては「まだ決まっていない」と説明した。「インフレ低下のために必要な経済の条件がそろいつつあるとほぼ言えるだろう」と米景気や労働市場の過熱が解消しつつあるとの見解も示した。

「パウエル議長の発言内容は政策金利見通しが示すほどタカ派よりに聞こえなかった」(Bライリーのアート・ホーガン氏)との声があり、ダウ平均は議長会見中に下げ幅を縮小した。

医療保険のユナイテッドヘルス・グループは6%超安となり、ダウ平均を200ドルあまり押し下げた。13日の投資家向け説明会で経済正常化に伴って高齢者の手術件数が回復しており、保険金支払いが増加するとの見通しを示したことが業績不透明感につながった。

航空機のボーイングや建機のキャタピラーも売られた。一方、スポーツ用品のナイキや半導体のインテルは大幅に上昇し、ダウ平均を支えた。

ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は5日続伸した。前日比53.156ポイント(0.4%)高の1万3626.477と、昨年4月以来の高値で終えた。半導体のアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)や同業のエヌビディアなどが高い。電気自動車のテスラは14営業日ぶりに反落した。

多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数は小幅に5日続伸した。前日比3.58ポイント(0.1%)高の4372.59と、昨年4月以来の高値で終えた。

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