米国株、ダウ続落し29ドル安 ハイテクに利益確定売り、ナスダックは年間で28%高

米国株、ダウ続落し29ドル安 ハイテクに利益確定売り、ナスダックは年間で28%高

米国・欧州株概況

2025年1月1日 6:53

【NQNニューヨーク=横内理恵】12月31日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3日続落し、前日比29ドル51セント(0.06%)安の4万2544ドル22セントで終えた。米長期金利が上昇(債券価格は下落)し、相場の重荷となった。一方、消費関連やディフェンシブ株の一角などには値ごろ感を意識した買いが入り、相場を下支えした。

米債券市場で長期金利が前日比0.04%高い4.57%で終え、株式の相対的な割高感が意識された。米連邦準備理事会(FRB)が来年の利下げペースを緩やかにする見通しで、トランプ次期政権の政策がインフレや財政悪化につながる可能性もある。長期金利の先高観や金利高止まりへの警戒感がハイテク株などへの利益確定売りを誘った。

米株式には買いが先行し、ダウ平均は200ドルあまり上げる場面があった。前日までの2営業日で752ドル下げており、自律反発を期待した買いが入った。主要株価指数の2024年の上昇率が軒並み2ケタとなるなか、今年逆行安となった銘柄の一部に見直し買いが入った。

ダウ平均ではエヌビディアの下げが目立った。アマゾン・ドット・コムマイクロソフトアップルセールスフォースも安い。一方、ナイキやメルクシェブロンが買われた。

ダウ平均は2年連続で上昇し、昨年末比では4854ドル(12.88%)高で終えた。インフレ鈍化を受けてFRBは9月に4年半ぶりに利下げした。米景気が底堅さを維持したことで株高が続いた。11月の米大統領選挙後には一段高となり、12月上旬にかけて断続的に最高値を更新した。5月中旬には初めて4万ドルを突破していた。

個別銘柄では11月にダウ平均に加わったエヌビディアが年間で2.7倍に上昇した。続いてウォルマートが72%高、アメリカン・エキスプレスが58%高、ゴールドマン・サックスが48%高となった。半面、ボーイングが32%、ナイキが30%、アムジェンが9%あまり下落した。

ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は4日続落した。前日比175.993ポイント(0.90%)安の1万9310.792(速報値)で終えた。テスラやブロードコムなどの半導体株が売られた。年間では2年連続で上げ、28.64%上昇した。12月には一時、節目の2万を上回った。

多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数は4日続落し、前日比25.31ポイント(0.42%)安の5881.63(速報値)で終えた。24年年間では23.30%上げ、2年連続で上昇した。指数構成銘柄の年間の上昇率首位はパランティア・テクノロジーズで4.4倍、2位は電力のヴィストラで3.6倍、3位がエヌビディアだった。

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