米国株、ダウ反発し151ドル高 主力ハイテク株に押し目買い、ナスダック1%上昇
米国株、ダウ反発し151ドル高 主力ハイテク株に押し目買い、ナスダック1%上昇
2024年2月15日 6:40
【NQNニューヨーク=横内理恵】14日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反発し、前日比151ドル52セント(0.39%)高の3万8424ドル27セントで終えた。前日に大きく下げた後で、ハイテク株や景気敏感株の一角に押し目買いが入った。米経済のソフトランディング(軟着陸)期待などから引けにかけて買いの勢いが強まり、この日の高値圏で引けた。
前日は1月の米消費者物価指数(CPI)がインフレ高止まりを示したことで米連邦準備理事会(FRB)の早期利下げ観測が後退し、ダウ平均は524ドル下げていた。年内の米利下げ開始予想に加えて米景気や企業業績への楽観を背景に相場は昨年末から上昇基調を強めていた。ダウ平均など主要株価指数の最高値更新が続き相場の過熱感が強まるなか、CPIを受けて利益確定や持ち高調整の売りが出ていた。
14日には取引終了にかけて買いが優勢になった。米国株のファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)に対する高い評価が投資家心理を支えた。シカゴ連銀のグールズビー総裁は14日の講演でインフレ減速に楽観を示したうえ、インフレ率が政策目標の「2%を達成するまで利下げ開始を待つことを支持しない」と述べた。
ダウ平均の構成銘柄ではないが画像処理半導体のエヌビディアを中心に主要ハイテクや半導体が買われた。「相場をけん引してきた銘柄に買いが戻り、投資家の安心感につながった」(シーミス・トレーディングのジョゼフ・サルッジ氏)。エヌビディアは2%あまり上昇した。時価総額は1兆8000億ドルを超え、ネット検索のアルファベットを上回った。今週に入ってネット通販のアマゾン・ドット・コムも抜いていた。
半面、ダウ平均は80ドル近く下げる場面もあった。FRBの利下げ開始が市場の想定より遅れるとの見方が投資家心理を冷やした。14日も米長期金利が4.2%台後半〜4.3%台前半(前日終値は4.31%)と高水準で推移し、株式の相対的な割高感が意識された。
前日に下げが目立った顧客情報管理のセールスフォースや半導体のインテルが高い。建機のキャタピラーや化学のダウなどの景気敏感株も買われた。一方、スマートフォンのアップルや小売りのウォルマートは下落した。
ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は3営業日ぶりに反発し、前日比203.547ポイント(1.30%)高の1万5859.146で終えた。13日夕発表の決算や見通しを受けて配車サービスのリフトが3割あまり急伸した。
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