米国株、ダウ反発し126ドル高 主力ハイテク株に買い ナスダックも反発
米国株、ダウ反発し126ドル高 主力ハイテク株に買い ナスダックも反発
2024年10月9日 5:40
【NQNニューヨーク=戸部実華】8日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反発し、前日比126ドル13セント(0.30%)高の4万2080ドル37セントで終えた。米経済が大幅な悪化を避けられるとの見方が主力株の上昇につながった。前日に下げが目立ったアップルを含むハイテク株が買われ、相場を支えた。
8日は原油高が一服し、米原油先物相場は前日比4.6%安で終えた。幅広い製品の原燃料になる原油の値上がりが米国のインフレ圧力を強めるとの懸念がひとまず後退。インフレが鈍化傾向を維持すれば、米連邦準備理事会(FRB)による追加の利下げが見込まれ、米経済はソフトランディング(軟着陸)できるとの観測が投資家心理を支えた。
前日に下げが目立ったアップルやアマゾン・ドット・コムといったハイテク株が買い直された。マイクロソフトも高い。ダウ平均の構成銘柄ではないが、新製品の需要が強いとの観測からエヌビディアは4%上昇した。8日の香港株式相場が大幅に下げ、市場では「投資資金が米国の主力ハイテク株に向かいやすかった」(ジョーンズ・トレーディングのマイケル・オルーク氏)との見方もあった。
ダウ平均は80ドル近く下げる場面もあった。米長期金利が8日午前に一時4.05%と8月上旬以来の高水準を付け、株式の相対的な割高感が意識される場面があった。「中東情勢の緊迫化は積極的な取引の手控えにつながった」(Bライリーのアート・ホーガン氏)との声も聞かれた。大型のハリケーンが米南部フロリダ州に接近しており、影響を見極めたい雰囲気もあった。
10日には9月の米消費者物価指数(CPI)、11日には9月の米卸売物価指数(PPI)が発表される。前週末発表の9月の米雇用統計が労働市場の底堅さを示し、FRBによる利下げペースが想定より緩やかになるとの観測が広がった後で、物価動向を確認したい投資家も多かった。
個別銘柄ではインテルやセールスフォース、トラベラーズが高い。先端素材事業の分離を発表したハネウェル・インターナショナルも買われた。一方、キャタピラーやダウ、シェブロンが下げた。アナリストが投資判断を引き下げたアメリカン・エキスプレスも安い。
ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は反発した。前日比259.012ポイント(1.44%)高の1万8182.916で終えた。半導体株ではエヌビディアのほか、ブロードコムの上げが目立った。メタプラットフォームズやアルファベット、テスラ、ネットフリックスも買われた。