米国株、ダウ反落し344ドル安 地銀の預金流出が重荷 ナスダックは続落
米国株、ダウ反落し344ドル安 地銀の預金流出が重荷 ナスダックは続落
2023年4月26日 5:25 (2023年4月26日 5:49更新)
【NQNニューヨーク=矢内純一】25日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3営業日ぶりに反落し、前日比344ドル57セント(1.0%)安の3万3530ドル83セントで終えた。24日夕に決算を発表した地域銀行で大規模な預金流出が明らかとなった。地域銀行が融資に慎重になり、景気に悪影響が及ぶのではないかとの不安が再燃し、消費関連株や景気敏感株に売りが広がった。
ダウ平均の構成銘柄ではないが、24日に決算を発表したファースト・リパブリック・バンクが昨年末から今年3月末までで4割超の預金が流出したことが判明し、株価は49%安となった。ウエスタン・アライアンス・バンコーポレーションなど他の地銀株にも売りが波及し、地銀株で構成する上場投資信託(ETF)「SPDR S&P地銀ETF」は4%下げた。
朝方に決算を発表した物流のUPSは2023年12月期業績に慎重な見通しを示した。景気減速によって、米国だけでなく世界的に荷動きが鈍っているとの見方も重荷となった。空運や鉄道などを含むダウ輸送株平均は3%超下落した。
米調査会社コンファレンス・ボードが発表した4月の消費者信頼感指数は前月から2.7ポイント低下し、101.3となった。市場予想の104.0を下回り、景気への不安を高める要因となった。
ダウ構成銘柄では、クレジットカードのアメリカン・エキスプレスやスポーツ用品のナイキなどの消費関連株、建機のキャタピラーや航空機のボーイングといった景気敏感株が下げた。25日朝に決算を発表した化学のダウの下げも大きかった。一方、医薬・日用品のジョンソン・エンド・ジョンソンや医療保険のユナイテッド・グループといったディフェンシブ株の一部が買われた。
ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は続落した。前日比238.047ポイント(2.0%)安の1万1799.157で終えた。主力ハイテク株の決算を控え、業績下振れへの警戒から売りが優勢だった。