米国株、ダウ8日続落し110ドル安 ディフェンシブ株に売り ナスダックは最高値

米国株、ダウ8日続落し110ドル安 ディフェンシブ株に売り ナスダックは最高値

米国・欧州株概況

2024年12月17日 6:32

【NQNニューヨーク=矢内純一】16日の米株式市場でダウ工業株30種平均は8日続落し、前週末比110ドル58セント(0.25%)安の4万3717ドル48セントで終えた。8日続落は2018年6月以来。ディフェンシブ株の一角に売りが出て、ダウ平均の重荷となった。半面、ハイテク株の一角に物色が進み、ダウ平均は120ドルあまり上昇する場面があった。


トランプ次期大統領が薬価交渉を担う薬剤給付管理(PBM)に対する批判的な発言をしたと16日午前伝わった。収益への影響が出るとの見方からPBM事業を傘下に持つ銘柄に売りが広がった。ユナイテッドヘルス・グループが4%安となり、ダウ平均を130ドルあまり下押しした。ジョンソン・エンド・ジョンソンやアムジェンといったディフェンシブ株にも売りが出た。


米連邦準備理事会(FRB)は17〜18日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.25%の利下げを決めるとの観測が根強い。一方、併せて公表する政策金利見通し(ドットチャート)では、2025年の利下げ回数が前回9月に比べ少なくなるとの見方がある。金融政策を巡る不透明感も根強かった。


ダウ平均の構成銘柄ではないが、前週末に初めて時価総額が1兆ドルを超えた半導体のブロードコムに買いが続いた。ダウ平均の構成銘柄ではアマゾン・ドット・コムやアップルが高かった。市場では「代表的な暗号資産(仮想通貨)であるビットコインが再び過去最高値を更新したことがハイテク株買いを後押しした」(SIAウェルス・マネジメントのコリン・チェシンスキ氏)との指摘があった。


そのほかでは、ベライゾン・コミュニケーションズやシェブロンが下げた。一方、航空宇宙部門の分離を検討していると発表したハネウェル・インターナショナルが上昇。ボーイングにも買いが入った。


ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は続伸した。前週末比247.167ポイント(1.24%)高の2万0173.891(速報値)で終え、11日以来の最高値更新となった。マイクロン・テクノロジーやアルファベットの上昇が目立った。アナリストが目標株価を引き上げたテスラも買われた。

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