米国株、ダウ7日続伸し56ドル高 金利低下でハイテクに買い ナスダックは8日続伸
米国株、ダウ7日続伸し56ドル高 金利低下でハイテクに買い ナスダックは8日続伸
2023年11月8日 6:29 (2023年11月8日 6:40更新)
【NQNニューヨーク=矢内純一】7日の米株式市場でダウ工業株30種平均は7日続伸した。前日比56ドル74セント(0.16%)高の3万4152ドル60セントと、9月20日以来の高値で終えた。米長期金利が低下し、株式の相対的な割高感が和らいだ。高PER(株価収益率)のハイテク株を中心に買いが優勢だった。
7日の米債券市場で長期金利は前日に比べ0.10%低い4.54%を付ける場面があった。前週に米国のインフレ鈍化の兆候を示す経済指標の発表が相次いだことで、米連邦準備理事会(FRB)による追加の利上げ観測が後退している。シカゴ連銀のグールズビー総裁は7日の米CNBCの番組で、政策金利について「どのぐらい高くすべきかというより、今の水準をどのぐらい長く維持するかという議論に変わっていくだろう」と述べた。
7日の米原油先物相場が大幅に下落した。原油高によるインフレや企業収益悪化への懸念が和らいだことも相場を支えた。市場では「7~9月期決算が市場予想を上回った企業が目立ち、買い安心感につながっている」(ウェドブッシュ証券のスティーブ・マソッカ氏)との声が聞かれた。
ダウ平均は取引開始直後に70ドル近く下げる場面があった。前日までの6営業日でダウ平均は1600ドルあまり上昇していた。短期的な過熱感が意識されやすく、景気敏感株の一角には利益確定の売りが出やすかった。
ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁は7日のブルームバーグ通信のインタビューで、必要となれば追加の金融引き締めを検討する姿勢を示した。週内にはパウエル議長などFRB高官の発言機会が多く、内容を見極めたい投資家も多かった。午後の取引でダウ平均は伸び悩んだ。
個別では、顧客情報管理のセールスフォース、スマートフォンのアップル、ソフトウエアのマイクロソフトが上げた。半導体のインテルも買われた。半面、化学のダウ、建機のキャタピラー、航空機のボーイングが下げた。原油価格の下落で、石油のシェブロンにも売りが出た。
ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は8日続伸した。前日比121.077ポイント(0.89%)高の1万3639.856と10月11日以来の高値で終えた。8日続伸は2021年10~11月以来、2年ぶりの連続上昇記録となる。ネット通販のアマゾン・ドット・コム、電気自動車のテスラなど主力株が買われた。
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