米国株、ダウ続落し103ドル安 大幅利下げ受け ナスダックは反落

米国株、ダウ続落し103ドル安 大幅利下げ受け ナスダックは反落

米国・欧州株概況

2024年9月19日 5:46

【NQNニューヨーク=戸部実華】18日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続落し、前日比103ドル08セント(0.24%)安の4万1503ドル10セントで終えた。米連邦準備理事会(FRB)は18日まで開いた米連邦公開市場委員会(FOMC)で4年半ぶりとなる利下げを決めた。利下げ幅は通常の倍となる0.5%とし、米景気の下支えに前向きとの見方から発表後は株買いが優勢になった。もっとも、大幅利下げの観測から買われてきた面もあり、主力株には利益確定売りも出て次第に下げに転じた。

FRBは政策金利を0.5%引き下げて4.75〜5.0%にすると決めた。会合後に公表した委員らの政策金利見通しでは、2024年末時点の水準が4.4%と前回6月の予想(5.1%)から切り下がった。9月に0.5%下げたため、年内残り2回の会合であわせて0.5%分下げる見通しだ。継続的に利下げし、雇用や景気の急速な悪化を防げるとの見方を誘った。

パウエルFRB議長は記者会見で「インフレ率が持続的に目標の2%に向かっていく確信が深まった」と述べた。米経済は良好との見方を示し、大幅利下げを決めたことについては経済や雇用が堅調を維持し「後手に回らないという決意の表れ」と説明した。市場では「議長は注意深く、市場の景気不安が高まらないようにした」(LPLファイナンシャルのクインシー・クロスビー氏)との受け止めがあった。

ダウ平均はFOMCの結果発表後に上げ幅を375ドルに広げる場面があったが、その後は買いの勢いが続かず不安定な展開となった。会合前に0.5%の利下げ観測が増えていたため「噂で買って事実で売る」動きが出たとの指摘があった。一方、「従来は景気がかなり悪い時に決めるとみられる大幅利下げをしたことで、労働市場を巡る先行き不透明感はくすぶったままだ」(マーフィー・アンド・シルヴェスト・ウェルス・マネジメントのポール・ノルティ氏)との見方もあった。

ダウ平均は過去最高値圏にあり、主力株には利益確定売りが出やすい面があった。米長期金利が上昇したため、株式の相対的な割高感が意識されたことも、重荷となった。


個別銘柄では前日に上昇が目立ったインテルが下げた。ハネウェル・インターナショナルやアメリカン・エキスプレス、プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)も売られた。マイクロソフトやセールスフォースも下落した。一方、アップルは高い。ウォルト・ディズニーやウォルマートも上昇した。


ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は反落した。前日比54.760ポイント(0.31%)安の1万7573.301で終えた。エヌビディアやアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)など半導体株全般が売られた。ネットフリックスやテスラも安い。

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