米国株、ダウ続落し74ドル安 長期金利上昇で景気懸念 ナスダック4日続伸
米国株、ダウ続落し74ドル安 長期金利上昇で景気懸念 ナスダック4日続伸
2023年10月3日 5:30
【NQNニューヨーク=横内理恵】2日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続落した。前週末比74ドル15セント(0.22%)安の3万3433ドル35セントと、約4カ月ぶりの安値で終えた。足元の米景気の底堅さなどから米連邦準備理事会(FRB)の金融引き締めが長期化するとの観測が強まった。米長期金利が一時、約16年ぶりの高水準を付け、高金利が米景気を悪化させるとの見方が株式相場の重荷となった。
2日の米債券市場で長期金利が一時前週末比0.13%高い4.70%と2007年10月以来の水準に上昇した。2日午前発表の9月の米サプライマネジメント協会(ISM)製造業景況感指数が49.0と市場予想(48.0)を上回り、好不況の境目とされる50に近づいた。米政策金利と長期金利が一定の間、高い水準にとどまり、米経済活動を押し下げるとの懸念が広がった。
9月30日夜に11月半ばまでの米連邦政府のつなぎ予算が成立し、米政府の一部機関の閉鎖は回避された。ただ、2024会計年度の本予算は成立しておらず、財政の方針を巡る与野党の隔たりも大きい。米議会や財政運営への不透明感は残り、つなぎ予算の成立を材料とした買いは限られた。政府閉鎖が回避され、市場では「FRBが11月の利上げに動きやすくなった」(インガルズ・アンド・スナイダーのティモシー・グリスキー氏)との声もあった。
ダウ平均は280ドルあまり下げる場面があった。米長期金利の上昇基調が強まった場面で売りが勢いづいた。半面、引けにかけては下げ渋った。今週は6日の9月の雇用統計などFRBが政策運営で重視する指標の発表が相次ぐ。米景気や雇用の現状を見極めたい市場参加者が多かった。
ダウ平均では工業製品・事務用品のスリーエムや航空機のボーイングなど景気敏感株への売りが目立った。金融のゴールドマン・サックスや石油のシェブロンなども下落した。一方、9月下旬の下げがきつかったスマートフォンのアップルやソフトウエアのマイクロソフトなどハイテク株の一角には買いが入った。
ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は4日続伸し、前週末比88.451ポイント(0.66%)高の1万3307.773で終えた。ゴールドマン・サックスが最も買いを推奨する「コンビクション・リスト」に追加した画像処理半導体のエヌビディアが高い。ネット検索のアルファベット(グーグル)の上げも目立った。