米国株、ダウ続伸し123ドル高 連日の最高値 底堅い米景気を好感 S&P500種も最高値
米国株、ダウ続伸し123ドル高 連日の最高値 底堅い米景気を好感 S&P500種も最高値
米国・欧州株概況
2024年11月27日 6:57
【NQNニューヨーク=矢内純一】26日の米株式市場でダウ工業株30種平均は5日続伸した。前日比123ドル74セント(0.27%)高の4万4860ドル31セントで終え、連日で最高値を更新した。26日午前発表の経済指標が米景気の底堅さを示し、主力株の一角に買いが入った。半面、トランプ次期米大統領がメキシコとカナダ、中国に対する関税を強化する方針を示したことは米製造業や小売業の収益悪化懸念につながり、ダウ平均は300ドルあまり下げる場面があった。
26日午前発表の11月の米消費者信頼感指数は111.7と、10月(109.6)から改善し、ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(111.0)を上回った。米景気の底堅さを示したとの見方からハイテク株や景気敏感株などに買いが入った。市場では「財務長官に指名されたスコット・ベッセント氏がトランプ氏の政策を穏健なものにするとの期待が続いている」(ジョーンズ・トレーディングのマイケル・オルーク氏)との指摘があった。
取引開始直後は主力株に売りが先行した。トランプ氏は25日、中国からの輸入品に10%の追加関税をかけ、メキシコとカナダに対して25%の関税を課すと表明した。対象地域から部品を調達したり、製品を輸入したりしている製造業にとってはコストの増加につながる。ダウ平均の構成銘柄ではないが、メキシコなどに生産拠点を持つゼネラル・モーターズは9%安で終えた。
トランプ氏は大統領選の期間中から関税強化を主張していた。市場では「予想されていたことで大きな驚きではない」(SIAウェルス・マネジメントのコリン・チェシンスキ氏)との受け止めもあり、売り一巡後は主力株に買いが優勢となった。
米連邦準備理事会(FRB)が26日午後に公表した6〜7日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨では、参加者が経済の見通しが想定通りに推移すれば、段階的な利下げが適切だとの考えを示した。市場では「利下げに前向きなハト派の内容だった」(Bライリーのアート・ホーガン氏)との指摘があり、株式相場を支えた面があった。
ダウ平均の構成銘柄では、アマゾン・ドット・コムやマイクロソフトが上昇した。スリーエムとウォルマートも高い。半面、開発中の肥満治療薬候補の減量効果が市場の見込みに届かなかったアムジェンが下げた。ナイキとボーイングも売られた。
ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は4日続伸した。前日比119.462ポイント(0.62%)高の1万9174.297で終えた。メタプラットフォームズやエヌビディアが上昇した。
多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数は7日続伸した。前日比34.26ポイント(0.57%)高の6021.63で終え、11日以来の最高値更新となった。