米国株、ダウ111ドル高で最高値 利下げ観測が支え ナスダック続伸

米国株、ダウ111ドル高で最高値 利下げ観測が支え ナスダック続伸

米国・欧州株概況

2023年12月28日 6:28



【NQNニューヨーク=川上純平】27日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続伸した。前日比111ドル19セント(0.29%)高の3万7656ドル52セントと19日以来の過去最高値で終えた。米連邦準備理事会(FRB)が2024年の前半に利下げに転じるとの観測が相場を支えた。半面、主力株を中心に利益確定目的の売りが出た。中東の地政学リスクも意識され、上昇の勢いが弱る場面があった。

米国のインフレ減速を背景にFRBが24年早期に利下げするとの見方は根強い。27日の米長期金利は一時3.78%と7月以来の低水準を付けた。金利と比べた株式の相対的な割安感が意識され、買いが入った。ダウ平均の上げ幅が140ドル近くになる場面があった。相場の先高観が強く、上昇に乗り遅れまいとする買いが入ったとの見方もあった。

もっとも、ダウ平均の上値は重く、下げる場面もあった。イスラエル軍の首脳が、パレスチナ自治区ガザでのイスラム組織ハマスとの戦闘について「あと何カ月もかかる」との見方を示したと伝わった。27日は安全資産とされる金の先物価格が上昇し、市場では「地政学リスクが高まるなか、運用リスクを回避する目的の株売りが出た」(ミラー・タバックのマシュー・マリー氏)との声が聞かれた。

年末の休暇シーズンを迎え、市場参加者が減っている。株の売買が普段より少なく、指数に明確な方向感が出にくかった面もある。

小売りのウォルマートやバイオ製薬のアムジェン、建機のキャタピラーが上昇した。半面、スポーツ用品のナイキと映画・娯楽のウォルト・ディズニーは下げた。

ハイテク比率が高いナスダック総合株価指数は4日続伸した。前日比24.603ポイント(0.16%)高の1万5099.176と22年1月以来の高値で終えた。一部車種の改良版を投入する準備を進めていると伝わった電気自動車のテスラが上昇した。半面、ネット検索のアルファベットは下げた。

多くの機関投資家が運用指標にするS&P500種株価指数は前日比6.83ポイント(0.14%)高の4781.58と22年1月以来の高値で終えた。

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