米国株、ダウ反落し105ドル安 大手ハイテクや半導体関連が下落 ナスダック5カ月ぶり安値

米国株、ダウ反落し105ドル安 大手ハイテクや半導体関連が下落 ナスダック5カ月ぶり安値

米国・欧州株概況

2023年10月26日 5:47 (2023年10月26日 5:57更新)



【NQNニューヨーク=稲場三奈】25日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反落し、前日比105ドル45セント(0.31%)安の3万3035ドル93セントで終えた。前日夕に決算を発表したネット検索のアルファベットを中心に、ハイテク株に売りが広がった。米長期金利が上昇したのも株式相場の重荷となった。

ダウ平均の構成銘柄ではないが、アルファベットが9.5%安で終えた。2023年7~9月期決算は売上高と1株利益が市場予想を上回った一方、クラウドサービスの収益が市場予想を下回った。アナリストからの厳しい見方も相次ぎ、クラウド事業のシェアが競合他社に奪われた可能性も指摘された。

半導体のテキサス・インスツルメンツ(TI)も前日夕発表の決算と併せて示した10~12月期の業績見通しが市場予想に届かず、売りに押された。両銘柄の下落は、大手ハイテク株や半導体関連株の売りに波及した。

半面、ソフトウエアのマイクロソフトは上昇し、3%強高で終えた。前日夕発表の7~9月期決算で売上高と1株利益が市場予想を上回ったうえ、10~12月期の業績見通しも市場の想定以上だった。人工知能(AI)関連需要の強さを背景にクラウド事業が伸び、アナリストによる目標株価の引き上げが相次いだ。ダウ平均は高く推移する場面もあった。

市場では「クラウド関連事業の成果が明暗を分けた中、アルファベット決算への失望の(相場への)影響が大きかった」(マーフィー・アンド・シルヴェスト・ウェルス・マネジメントのポール・ノルティ氏)との声が聞かれた。

米債券市場で長期金利が上昇したのも株式相場の重荷だった。長期金利は4.9%台半ばまで上昇し、株式の相対的な割高感が意識されやすかった。

ダウ平均の構成銘柄ではスマートフォンのアップルや顧客情報管理のセールスフォース、半導体のインテルが下落した。建機のキャタピラーや工業製品・事務用品のスリーエムも安かった。朝に7~9月期決算を発表した銘柄では航空機のボーイングが売られた一方、クレジットカードのビザには決算を好感した買いが入った。医薬品・医療機器のジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)や日用品のプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)といったディフェンシブ株の一角も高かった。

ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は3営業日ぶりに大幅反落した。前日比318.651ポイント(2.42%)安の1万2821.224と、5月下旬以来5カ月ぶりの安値で終えた。1日の下げ幅としては2月下旬以来の大きさだった。画像処理半導体のエヌビディアやネット通販のアマゾン・ドット・コムなどの売りが目立った。

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