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【宮本知彰 選手】2024.8.16 WHO'S NEXT DYNAMIC GLOVE on U-NEXT Vol.21 FIGHT WEEK👑👑 日本ライト級タイトルマッチ

👑日本ライト級タイトルマッチ10回戦
王者:三代大訓選手(横浜光)
VS
挑戦者:宮本知彰選手(一力ジム)

宮本知彰選手ってどんな選手?

🌟日本ライト級11位

所属:一力ジム
出身:兵庫県赤穂市
生年月日:1993年8月10日 (30歳)
デビュー:2016年7月9日
通算成績:18戦10勝(8KO)8敗
身長:170cm
スタイル:左ボクサーファイター


「自他ともに認める”かませ犬”。
でもやってみないとわからない」
今回の試合に向けて

ー今回の試合の意気込みを教えてください

ボクシングは大学までやっていて、普通に考えたら自分のキャリアでタイトルマッチをできるとは思ってなかったです。自分でも、かませ犬だと思っています。でも、やってみないとわかんない。強い相手ですけど、見せ場を作りたいです。

ー…かませ犬だと思っている、と仰りますが、リングに上がるのは怖くないんですか…?

どの試合も怖いですよ。もちろん今回の試合を応援してくれている人もたくさんいますけど、普通に考えたら厳しい。僕はなんとかランキングに入れたレベルですし。タイトルマッチなんてできるとは思ってなかったです。周りも思ってなかった。でも周りの人達に想像以上に喜んでもらえました。タイトルマッチなんてやりたくてもできないじゃないですか。それでもチャンスを貰えたので、これは光陣営にも感謝、一力陣営にも感謝です。

ー特に喜んでくれたのはどなたでしたか?

本当にみんな喜んでくれました。家族はもちろん、親しい人たちも。「そんなに喜んでくれるの?」っていうくらい。負け続けている時から応援してくれる。

ー王者、三代選手の印象は?

大学が中央大学で歳は僕の一個下で、実は交流は大学時代からあるんです。僕は関西学院大学出身なのですが、当時の監督同士が仲が良くて年に1回合同合宿をしていました。当時は、強い大学の選手、というイメージですね。

試合が決まったと大学の同期たちに言ったときは「あの三代?!」と驚かれましたね。当時の関西学院大学の監督からも。パリ五輪に出場していた岡澤セオン選手も一緒に合宿をしたメンバーだったので、試合決定の報告をしたときは当時の話で盛り上がりました。

それからプロボクシングにお互い転向した後、スパーリングで三代選手が一力ジムに来た時に、「その頃のことを三代選手は覚えていないだろうな」と思っていたんですが、「お久しぶりです」と一声かけてくれました。それで「ええこやな」と思いましたが、スパーリングでボッコボコにされました(笑)

関西学院大学時代のお写真
ご本人提供

ボクシングの技術的の印象としては、ジャブがうまく、事故がないタイプだなと。この試合が終わった後、三代選手は宇津木選手と統一戦したいと考えていると思います。だからこそ三代選手としてもしょっぱい試合はできないはず。いつも以上に出てくるんじゃないですかね。

ー宮本選手のどんな長所を活かして、どう勝つイメージですか?

「どうやって勝てるかな」と毎日考えています(笑)
まわりには「思いっきり振れ」と言われています。
当たらないと何も始まらないですからね。最後まで可能性を信じて振っていこうと思います。

ーここだけは負けないというポイントは?

正直どの分野でもきついですよ(笑)でもやってみないとわからないです。

ー冷静で謙虚にご自身を見つめていらっしゃるんですね。

ボクシングモバイルのやすおかだいごさんにも、「挑戦者のボクサーのインタビューからは『絶対(王者を)食ってやる』という言葉が普通は出てくるけど、宮本はそれが出てこない」って言われました(笑)

2024年5月27日(月) ファイティングビー.29
VS栁堀 隆吾(花形) 
出典:ボクシングモバイル

人生の転機①「始めたのが、終わりの始まり」
小國以載さんらの影響で始めたボクシング

ボクシングをし始めたのが、終わりの始まりです(笑)こんな人生を歩むはずじゃなかったです(笑)
でも経験できなかった経験をしているし、ボクシングをしていなかったら出会えていなかった人たちに出会えました。関西学院大学もボクシングで入りましたし、頭ではいけなかった大学だと思います。今僕と関わってくれてる人たちは、ボクシングをしていないと出会えなかった人たちばかりじゃないかな。

ーどうしてボクシングを始めたんですか?

3つ上に兄貴がいてボクシングをやってて、小國以載さんと僕の父親が友達で、家族ぐるみの幼馴染なんです。だから周りに「ボクシングしなよ」とよく言われていて、小学生のころから近所のアマチュアボクシングジムに遊びに行ってました。でも当時は野球をやっていて野球が楽しかったんですよね。中学3年生で野球部を引退したタイミングで、厨二病をこじらせていて(笑)深く考えていなかったんですけど、ボクシングを本格的に始めました。たぶん他のボクサーたちは「チャンピオンになってやる!」と言う感じだと思うんですが、そういうわけでもなく。あ、でも僕、当時身体が小さくて、野球は体格がないと難しいスポーツで、ボクシングは階級スポーツだから活躍できるかも、と思って始めたのかな。あんまり当初のことは覚えていないですが、それ(体格の話)も理由の一つだと思います。

ー小國さんと幼馴染でいらっしゃるんですね!幼少期で思い出に残っているエピソードなどありますか?

K-1が流行っていた時期、小國さんは蹴りをやりたかったんでしょうね。座布団持たされて蹴られたことを覚えています(笑)小國さんは本当にお兄ちゃんみたいな感じです。今小國さんがやっているジムも兄弟でやっていて、僕はそこでトレーナーをしています。ずっと一緒ですね。高校時代はお兄ちゃんの方にトレーナーしてもらっていました。

ー幼少期からずっと続く仲、いいですね…!

小國さんとのお写真
ご本人提供

人生の転機②留年、そしてプロ入り。
「勝つ瞬間のためにボクシングを続けている」

大学を1年留年したのでプロに転向しました。
アポロジムの会長に学生時代から「プロにならないのか」と言われていました。「絶対やらない」と言ってましたが、留年した時に「1年間ひまでしょ」と言われて、プロテストを受けていました。
辞めるタイミングはたくさんありましたし、「辞めたい」なんて何百回思ったことか。

ー…なんで辞めないんですか…?

僕にもわからないんです。なんでボクシングをやってるんだろう。
でも、負け続けても、変わらず応援してくれてる人の存在が大きいです。一時、「負け続けているし、さすがに応援に来てもらえないだろうな」という気持ちがあったんですが、変わらず来てくれるんですよね。本当に有難いです。大阪時代に、3連続2ラウンド KO負けしたことがあって、「チケット詐欺」と言われました。もちろん関西人のノリですよ(笑)それでも応援し続けてくれてます。

それに、内心「もうちょっと上にいける」と思うんですよね。例えば、「ランカーにはなれる」とか「この相手には勝てるんじゃないか」とか、負けた後も「あれをこうすれば勝てたんだろうな」とか。寝たらだいたい忘れるんですけど、そういう気持ちがあって。

ーなるほど。ボクシング好きってことなんですね?

好きじゃないです(笑)ほんまに(笑)人と殴り合って何が面白いのか。
でも、勝ったら嬉しいですよ。自分のことのように他の人が喜んでもらえていて、それが自分の中で大きい。僕の勝利なんて正直他人事じゃないですか。それでも喜んでくれるのって嬉しい。
関西から後楽園ホールまで来てくれる人たちは、高いチケット代に加えて、仕事を休んで、交通費宿泊費がかかって、それでも来てくれています。それが本当にうれしいです。

上京のきっかけとなった2019年12月17日(火)のドラマチックボクシング.81。
VS脇田 将士(ミツキ)
出典:ボクシングモバイル

人生の転機③連敗を機に東京へ。
「環境を変えるしかない」

3番目の転機は、アポロジムから一力ジムへの移籍です。一力ジムに来たからこそ、このチャンスが来たと思います。自主興行を打っていて、ランキング挑戦させてくれたから、このチャンスが回ってきたんだなと。

ー古巣はアポロジムですよね。地元が近いアポロジムからどうして東京の一力ジムに移籍したんですか?

関西で連敗したことがきっかけです。どの連敗か忘れたんですけど(笑)たしか3連続2RKO負けかな。移籍してまでボクシングをしようと思ってなかったんですけど、でもやっぱりなんか不完全燃焼だったんですよね。早く辞めて就職したらよかったのに、「環境を変えるしかない」と思って、東京のジムに行こうと思いました。色々ジム巡りさせてもらいました。

人生を半分捨ててますよね(笑)ボクシングに熱中しているわけではないですよ(笑)応援している人から「好きなことやっていていいねえ」と言われますが、別に好きでもないしな…とは思ってます。
でも勝ったら嬉しいですし、勝つ瞬間のためにやっているようなものですね。

もちろんアポロジムにはデビューから4年在籍させてもらって、マッチメイクもしてもらって本当に感謝しています。でも、不完全燃焼を解消するために、東京に行こうと。

ー色々ジム巡りされたとのことですが、なぜ一力ジムに?

一番は、当時の一力ジムは人数が少なくて、いつも同じメンバーで練習していました。10人もいたかな?というくらいですね。今は人数が多いと感じますが、チャンピオンが一緒のジムにいて、実践練習も一緒にできて、モチベーションが上がりますね。「こんな練習してるんだ、こういう考え方なんだ」と学びが多いです。関わる人も多くなりましたね。近藤明広選手や栗原慶太選手が近くにいて、とても勉強になっています。

一力ジム移籍後初戦の後楽園ホール
出典:ボクシングモバイル

帰る場所は関西。
プライベートのあれこれ。

ー地元はお好きですか?
好きですね。東京に上京してからは長期休暇しか帰らないんです。GWも帰る気持ちだったんですが、前の試合は5月27日だったので、試合前で。お盆は絶対帰ろうと思ってたんですが、お盆がこんなになってしまいました(笑)帰りたい意欲は強いですし、帰る場所はそこしかないと思ってます。地元やアポロジム、とにかく関西に帰りたいなと思います。

上京後の当初はすぐ帰ろうと思っていました(笑)性格上こんな感じなので、なるようにしかならないなと思って。

正直、今回の試合に勝っても負けても引退しようと思っています。そろそろ人生設計ちゃんとしないと。

ー今はどんなお仕事をされてるんですか?

小國さんのジムでトレーナーをしたり、測量のお手伝いとか。その日暮らしをしています。ドライバーなども。なんでも屋です。なにもできないから、なんでもやってます。こういうことやりたいというのがなくて。このままじゃ僕の人生どうなっちゃうんだろう、とは思ってます。引退後、ボクシングのトレーナーは選択肢にないですね。

ー息抜きは?

ごはんを食べに行ったり。でも減量があるのでしばらく行ってないですね。たまにしか試合しないキャラだったのに…(笑)甘いものを食べるのも好きです。無趣味で、逆に「趣味はなんですか?」と聞きたいくらいです。

ボクシングを趣味とは思ってないです。仕事としてやっているという姿勢ですね。引退したら、ボクシングに関わる仕事はしたくない、と思ってます。
おやじファイトとか絶対やらないです(笑)

「宝くじは買ってみないと分からない。」
今回の試合の見どころ

ー最後に、今回の試合の見どころを教えてください!

思いっきり振ります。かませ犬がかみつく展開の方が面白いでしょ。ボクシングファンは三代君が勝って、ワタナベ時代、学生時代のライバルの宇津木選手と戦うのを見たいと思う。でも絶対はないし、宝くじは買ってみないとわからない。だから僕は宝くじを買います。

U-NEXTでの視聴はこちらから

8月16日(金)17時45分開始
https://video.unext.jp/livedetail/LIV0000006030

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