フィギュアと、ミニチュアと。

ども、店主のヨシャパテ!です。
本来ならば店の記事の一つでも書いた方がいいのでしょうけど、ちょっとコラム的な何かを書いてみようと思い立ちまして(と言いながら3000字超えるんですが)。

初回の投稿は当店初のイベントの告知だったわけですが、それも今日で終わりを迎えます。結果としては参加人数が少なく、もう少し告知をしっかりとすべきだったなぁ、という反省点が浮き彫りになりました。……イベントと商品、そして店舗そのもの、そのどれも、ですね。

結果は今晩決定して、明日、こちらに記事を投稿しつつTwitterでも結果発表をしようと思ってます。

さて本題、の前に。

ご存じの方も多いかと思いますが、2月にダニール工房の姉妹店としてグレディアミニチュアというネットショップを立ち上げ、そちらでミニチュアとフィギュアを販売開始しました。
が、ダニール工房と同じくBASEをプラットフォームとして使ったために管理がえらくややこしいことになり、また金銭管理もややこしくなったので、結局グレディアミニチュアの取扱商品も全てダニール工房に移し、最終的には1店舗でやっていくことにしました。
グレディアミニチュアのなんと儚いことか。

ちなみによく聞かれるのですが、僕のハンドルネーム「ヨシャパテ!」って何?といいますと、アイザック・アシモフの小説「鋼鉄都市」シリーズの主人公イライジャ・ベイリの口癖だったりします。「なんてこった」にヨシャパテ!とルビが振られます(逆だったかな?)。
で、ダニール工房のダニールというのがそのイライジャのパートナーであるロボットの名前。同じぐグレディアというのもシリーズの2冊目「はだかの太陽」で登場したヒロイン(?)の名前から頂いてます。
ちなみに余談ですがカクヨムで小説なんかを書いたりしてまして、筆名が「依頼者米利」となっております。

閑話休題。

さて、ダニール工房で並べているフィギュアとミニチュア、これは完全に僕の趣味で選んでます。

フィギュアは造形が綺麗かつあっさり目なものを特に選定してるつもりです。ボディラインが綺麗というか、造形美を感じられるというか。顔もどちらかというとリアル寄りですね。中でもNutshellAtelierさん、Spirit of Resinさんの二者は共に大好きな造形です。

一方でミニチュアは、遊び甲斐のあるものを中心にセレクトしています。
極論、ミニチュア屋さんは僕が扱うよりも他にもっと素晴らしい店舗が何店もあり、非常にセンスのあるデザイナーさんの商品を扱ってます。
実際、うちで扱っているASGARD RISINGさんも、サベージランドミニチュアさんが正規に取り扱いされてるのでホントは競合したくないと思ってます(これについては少し後述します)。
ならばよそでは扱わないようなものを中心に、と考えるのは簡単ですが、そこはそれ、やっぱり一本中心にドンとコンセプトは必要でして、そこで考えたのが「遊べる物」ということ。
例えばHeroes and BeastsさんのSwapminiシリーズのようにパーツの付け替えで色んな状態を再現できたり、PEPTILIAN OVERLORDSさんのような若干パロディも入りつつ色々組み替えてバリエーションを楽しめたり他社のミニチュアのビッツとして使えたり、外にもコンバージョンヘッドなんかは好んで商品に取り入れてます。
また、ミニチュアという側面で見れば、うちの3Dプリント商品はベースとベースデコレーションから始まってますので、やはりそういう方面は強化していきたいと思ってます。
テレインはなかなか売れませんが、ベデコ用品は割と需要がありまして、やはりフィギュアやミニチュアを取り扱うようになった現在でも主力として頑張ってくれています。

と、ここでASGARD RISINGさんの話について触れておきますと、実はこちらのデザイナーさん、非常に豊富な種類のミニチュアベースを販売しておりまして、最初はミニチュアよりもそのベースに目が行きました。こりゃ是非ともうちで取り扱いたい!と。で、Patreonでマーチャントライセンスを申請してから、他店との競合を調べるのを忘れていた事実に気付き……という始末です。
というわけで、本当はミニチュアやテレインも扱いたいと思いつつ、競合するのをなるべく避けたい気持ちが先に働いてしまったので、極力ベースのみの販売に留めるつもりです(一部、村人やプロップを販売してますが、そのうち引っ込める予定です。その代わり他のデザイナーさんの同様の商品を揃えてますので……)。ベースについては現在色々調整・準備中ですので楽しみにしている方はお待ちいただければ、と。

さて話を本筋に戻しましょうか。

実は一部のお客様からの要望で、NutshellAtelierさんのフィギュアを32mmサイズで出せないか?と聞かれたことがありまして、試しにテストプリントしました。
出した結果。
非常にメリハリのない、平坦なミニチュアができあがりました。
そりゃそうですよね、八頭身美人のフィギュアをそのままスケールダウンして出力したら、出てくるのは細くて頭の小さいフィギュアなんですから。
ミニチュア好きの人は手元のミニチュアをよく見てください。
頭身のバランス、手足の大きさ、武具のサイズ。
どれもデフォルメが効いてるんです。
メリハリがあるんです、造形に。
それこそがミニチュアの魅力の一つです。
でも、フィギュア、特に僕が好むようなあっさり目のフィギュアを縮小しても、同じような結果は当然得られません。
フィギュアの時はあんなに魅力的だった体のラインや顔の造形、全体のバランスは、ミニチュアとなることですべて失われるんです。
いや、もちろんミニチュアサイズに落とし込んでも造形が成立するフィギュアも数多くあると思います。が、少なくとも僕好みのフィギュアではそれは難しいんです。個性が消えてしまう。

それでも、Spirit of Resinさんのフィギュア/ミニチュアはまだポージングの妙もあり、また非人間は独特の造形が活きてミニチュアとしても成立しているんですが、NutshellAtelierさんや、3D Printing realmsさんは難しいでしょうね。

逆に、ミニチュアを大きくしたらどうなるか。
日本人的、アニメ・漫画調のミニチュアならフィギュアとしても成立するかと思いますが、オールドスクール・ファンタジー系のミニチュアは、逆にフィギュアサイズにすることで魅力は半減します。誇張が強すぎて、うるさいバランスになります。
これも好みはあるかもしれませんが、古いメタルフィギュアのジャイアントなんかが自分はあまり得手ではなく、どこかデッサンの狂った感が苦手でした。ゲームズワークショップのメガガルガントくらいになってくるとまた全然違うんですが。
それらのジャイアントよりも頭身のバランスが奇抜になるものが多いんですね、ミニチュアの巨大化って。

思いました。
フィギュアはフィギュアだから良い。
ミニチュアはミニチュアだから良い。
あんまりこの境界を行ったり来たりさせるのは良くないなぁ、と。
それぞれの良さが死んじゃう。

ただこれだけは言わせて。
ゲームズワークショップのミニチュアの顔の造形、特に女性の造形。色々理由(言い訳?)があるのも存じてます。が。

ブス多過ぎ。

シェイドがうまく流れて顔の造形がクッキリするからという理由でブスにするのは何か違う。彫りが深ければ美人顔だってクッキリするじゃないですか。
美人増やすだけでも日本での売り上げは変わると思いますし。オタク文化なんですからカワイイは正義なんです。
ガールズプラモがこれだけヒットしてるんですから、アニメ調(欧米で日本のアニメ調を再現しようとして全然ダメダメなヤツ。うちの商品で言えばMefedetさんがそれ系なんですが、ここはそのうち化けると思ってますので……)ではなく、ガールズプラモから顔の造形を学んでほしいと思います。
自分は個人的にはリアル系美女の方がいいんですけどね。
男も、ハゲのオッサンやゴリマッチョ、髭のジジイばっかりではなく、もうちょっとこう、イケメンを作って欲しいです。

ビバ・ヘッドコンバージョン!

……というわけでなんか最後にものすごくわき道に逸れたんですが、長々とお付き合いいただきありがとうございました。

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