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とある情報誌に書いた古い文章を見つけた
昔のファイルの中に、2004年に書いた文章を見つけた。
読み返してみると、案外私は成長していない(笑)
当時発行されていた情報誌に載せた文だ。
偉そうなことを書いていたものだ。
恥ずかしいぞ。
でも、今も考え方は変わっていない。
私は頑固だ。
拘りすぎたかもしれないから、夢は儚く消えたのか・・・
手直しをしようかとも思ったが、そのままコピーアンドペーストしてみる。
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artに関して思うこと
真摯にアートと向き合っている人たちを、批判したいわけではありません。これは私の個人的な感想や考えだと思ってください。
若い人たちの主催するアートイベントが多く開催されている。とても楽しそうだしノリもいい。
ただ20年以上この世界にいて、毎年多くの若いアーティストに出会い、その観客達と知り合う。しかしそのどちらも年齢を重ねると共に、自然にいなくなってしまう気がする。
アーティストは一つの駒ではない。同じ時代を生きていく友人でもある。彼らが20年後も同じように絵を描き続けていられるように、そして歳を重ねても観客たちはまた展覧会を見に来てくれるように、しっかりと覚悟を持って行動しなければならないと思っている。
一度聞いてみたい。アートイベントを主催している若い人たちに、例えば20年後はどうしていたいのか。同時代を生きているアーティストと観客も、あなたと同じように20年という月日を積み重ねているはず。20年の月日を含んでイベントを表現するつもりなのか、或いは今と同じように20年後の若い世代の作家や観客を対象にするのか?
一つの企画・事業として成り立たせるならば、後者がきっと正解なのだろうと思う。ただ、それでいいのか?
僕はずっと悩んでいる。
30 年前40年前に世に出たビッグネーム達は、現在でもその頂点の座を明け渡していない。どうしてなのか。
時代が違うというような逃げの理由では済まされないと思う。彼らはアート界の一つの駒ではないからだ。その後現れたアーティスト達がどうしても彼らを追い越せないのは、本人が原因というよりは、周囲・社会が彼らと共に成長しようと思わなかったから。今だけの存在である彼らを望んでいたからかもしれない。
今の僕がやるべき仕事は、彼らをサポートすることだけではない。僕が開催するアートイベントは、大人向けのものでなければならないはず。じっくりと大人が余裕を持って楽しめるアートイベント。正直にいってそんなイベントを見たことはない。もしかすると地味すぎてメディアになんか載らないのだろう。
先日の若手アーティストの個展は素晴らしかった。来場者も予想以上だった。同世代の仲間達もたくさん集まってくれた。ただ、20年後も彼らは集まってくれるのだろうか?
僕のもっとも信頼できる友人。画家でもあるがもう50を超えている。或いは少し年齢は若いが40代の画家もいる。彼らの展覧会に、彼らと同年代の人たちが集まり、そこに若手アーティストと同じ年代の人たちも集まる。それが理想ではないのか?
僕の本当の仕事は、そういう展覧会をすることだと思っている。未だにわかっていないことが多すぎる。迷いもまだなくならない。いったいいつになったら次のステージに行けるのだろうか。
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読み返して思い出した。芸大の学生が企画したグループ展を見て感じたことを書いたものだ。展覧会はとても興味深かったが、20年後を想像できなかった記憶がある。
とはいうものの、この企画をした学生の一人は、現在ではその世界では名の通った人物になっている。
人生は面白い。
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