小学校受験に挑んだ理由──否定的だった私が前向きになれたわけ
私たちが小学校受験に挑んだ理由は、
充実した初等教育を受けさせたい
中学校受験を避けたい
です。そしてこれらを達成した上で、ゆくゆくは
3. 良い大学(高偏差値の大学)への進学に繋げたい
という思いがあります。
1.は願書にも記載できるような、表向きにも伝えやすい理由ですが、2.や3.は願書には記載しづらいものの、(あくまで私見ですが)そのような考えを持って受験に臨む方は多いように感じます。
ただ、これらは妻が娘が生まれた時(おそらく正確には出産前)から抱いていた考えであり、
私自身は最初、小学校受験にはめちゃくちゃ否定的でした。
なんで、こんな小さい時から熾烈な競争に身を置かせなきゃいけないの?
もっと、のびのびと遊ばせてあげたほうがいいんじゃないの?
と、小学校受験に全くいいイメージがなく、正直「お金持ちの道楽でしょ?」と思っていました。
そんな私が、小学校受験の道へと踏み出した理由――
それはひとえに、、
妻の意向に逆らうことができなかったから
です😂
普段から、我が家のパワーバランスは
妻 >>>>> 私
であり、
私には妻に根付いた受験への考えを覆すことは不可能でした。
その結果、我が家は小学校受験の道を歩むことになり、必然的に私も泣く泣くその渦に巻き込まれることとなったのです😭
このように、ものすごくネガティブな気持ちで始まった私の小学校受験への取り組みですが、時間の経過とともに気持ちや考え方が変わり、娘が年中の夏ごろには(完全に一致したわけではありませんが)妻と同じような思いに至りました。
そして最終的には、
『このボートには乗るしかない!』
と腹を決め、私自身も妻娘とともに合格へ向けて全力で漕ぎ出すことにしました。
(一漕ぎごとに時間とお金が消えていく、険しい旅路となりましたが……)
振り返ると、この父母子が一丸となって全力で取り組む姿勢は、小学校受験に挑むにあたって非常に重要だったと思います。
これがなければ、(本命一校だけでしたが)合格を得ることは不可能だったと思います。
この記事では、私の考えがどのように変化していったのか、その過程を書きたいと思います。
我が家について
ここで少し、私たち夫婦について書きたいと思います。
〈私(父)〉
30代後半。早慶卒
年収は高くないが、残業はほとんどなく、時間に融通が効く職に就いている。
中学までは公立に通い、高校、大学進学時に受験を経験。
性格は楽観的でのんびり屋。
ゴリゴリの理系で、データに基づいた合理的な考え方を好む。
〈妻(母)〉
30代半ば。MARCH卒
出産を機に専業主婦となり、教育熱心な母となる。
ご縁はいただけなかったが、私立小学校受験を経験している。
中学は私立の中高一貫校に進学し、その中学進学時、と大学進学時においても受験を経験。
私と正反対でどちらかというとせっかちな性格。
しっかり者で(私から見ると)文系的な考え方をする。私と考え方の違いで衝突することもしばしば
妻は、上記のように幼少期から受験を経験してきたこともあってか、学歴に対して非常に(私からみると異常なほどに)強いこだわりを持っており、娘の学力教育には大変熱心です。
娘が通った幼稚園もいわゆる難関幼稚園ではありませんが、
小学校受験を見据えて電車で通える範囲で教育熱心との口コミのある幼稚園を慎重に選びました。(有名私立幼稚園の受験も視野に入っていたようですが、準備が間に合わず断念しました。)
小学校選びにおいても、まずはその先の大学進学実績を最重視して検討を進めていました。
一方、私は中学校まで公立校に通っており、受験を経験したのは高校進学からです。
そのため、小学校受験に対してあまり実感が湧かず、知識はないものの、前述のように良いイメージを全く持っていませんでした。
良い大学に進学できるなら、それに越したことはないとは思っていますが、
私自身は学歴にそれほど重きを置いていません。
小学校受験に対するネガティブなイメージ
私が抱いていたネガティブなイメージをまとめると、以下のようになります。
子供に負担がかかる
お金がかかる
めちゃくちゃコスパが悪い(上記の2つのデメリットに対して、得られるリターンが少ない)
実際に、娘には少なからず負担がかかりましたし、お金も非常にかかりました。
コスパが良いか悪いかについては、(各ご家庭にもよりますし、リターンを何と捉えるかによって変わってきますが、)今後娘の成長によって、初めて明らかになることだと思います。ただ、
もしリターンを、「将来的に良い大学に進学すること」と捉えるならば、コスパは悪いと考えています。
(※ 小学校から大学までの一貫校を目指し、受験を小学校受験一回だけで済ますことを考えられている場合には、小学校受験に全ベットするというのはよい選択肢になると思います。
あくまで私たちの場合は、大学受験を行うことを想定しており、以下はその前提での話になります)
というのも、当たり前の話ですが、私立の小学校に通ったとして、大学受験時の学力が保障されるわけではありません。
仮に私立学校の教育水準が公立より高いとしても、学力がどれだけ伸びるかは、入学後の子ども自身の資質と努力次第です。
入学時の努力で得た学力の“貯金”も、時間と共に消えていきます。
そして何より、大学受験に挑む場合、ほとんどの子どもが学習塾に通うことになります。
(学校の勉学だけで、大学受験に挑む方もいるかもしれませんが、おそらく圧倒的なマイノリティになると思います。)
塾では、どの学校に通っているかに関係なく、同じ条件で受験勉強に励むことができます。
そう考えると、苛烈な競争を伴う小学校・中学校受験に挑む意味は、それほど大きくないのでは?というのが私の私見です。
さらに、少子化が進む現在、大学受験の難易度が年々下がっていくことは明らかです。
それに対して、
小学校・中学校受験の競争は都内限定で過度に激化していると理解しています。
ならば、中学までは公立に通い、もし学力の向上を目指すのであれば、中学・高校あたりから学習塾などに投資を集中させる方が、はるかにコスパが良いと考えています。
以上の理由から、「良い大学への進学」をリターンと考えた場合、小学校受験に挑むのは非常にコスパが悪いというのが私の結論です。
このように当時の私は完全にネガティブなイメージしかもっておらず、小学校受験には反対でした。
楽観的な性格の自分はざっくりと
どこの学校に行っても、なるようになると考えていました。
このような考えに至ったのは、実際に自分が中学まで公立に通っていたなかで、それがその後の人生においてネガティブに働いた実感は全くなかったというのが大きいのかもしれません。
そのため、私立校に特別な魅力を感じることができず、「無料でしっかりとした教育が受けられる公立校があるのに、大金を投じてまで過度な競争に挑む意味が本当にあるのだろうか?」という強い疑問を抱いていました。
しかし、私の考えを熱弁しても妻には
「公立??(゚Д゚) 子供の将来のこと考えたら、絶対私立(ないし国立)でしょ!」
と一蹴され、我が家は小学校受験に挑むことが確定したのでした😭。
小学校受験のイメージが変わった理由
幼児教室での講習と娘の姿
こうして妻の圧倒的な押しに屈した結果、私たちは小学校受験に取り組むことになり、年少の冬から娘を幼児教室に通わせることにしました。
通い始めた当初、私はまだ小学校受験に対するネガティブなイメージを持ったままでした。
娘と一緒に幼児教室に通い始めた妻を、内心冷ややかな気持ちで見ていたのを覚えています。
しかし、妻に促され、私自身も何度か幼児教室の講習に参加するうちに、徐々に気持ちが変化していきました。
最初は正直なところ、講習をひいた気持ちで見ていました。
先生が熱心に指導し、娘がペーパー課題に取り組む姿を見ながら、「こんな勉強に一体どんな意味があるのだろう?」と疑問を抱いていました。
しかし、先生たちの熱意と子どもを惹きつける技術を目の当たりにする中で、少しずつ考えが変わり始めました。
講習で行われる勉強の内容をこの時期に習得することが、その後の人生の大きなアドバンテージに繋がるとは、今も思っていません。小学校入学後にゆっくりと身につけていけば特に問題ないと思っているからです。
しかし、こうした熱意のある講習の中で学び、なにか新しいことに挑戦するという経験そのものは、娘の成長にとってプラスになるのではないか、と感じるようになりました。
何より、娘が幼児教室をとても楽しんでいたことが、私の気持ちを変える大きな要因でした。
楽しみながら幼児教室に通う娘の姿をみて、
「これは単なる受験勉強ではなく、娘にとって有意義な経験なのではないか」と思えるようになったのです。
(もっとも、後々には「最近あまり楽しくない」と言うようにはなったのですがね…(^^;))
もちろん、幼児教室での経験が唯一無二のものとは思っていません。
例えば、他の習い事でも同じように娘の成長を促す経験はできるでしょうし、費用面ではそちらのほうがはるかに安く済むと思います。
それでも、幼児教室での娘の姿をみて、「これは娘にとって成長につながる貴重な経験かも」と感じるようになりました。
そのため、費用面さえ気にしなければ、受験をしない場合でも幼児教室は習い事として良い選択肢なのではないかな、と今は思っています。(とはいえ、費用が高いため、よほど裕福でなければそのような選択肢はないでしょうが。。)
学校見学
もう一つ私の気持ちを大きく変えた要因は、学校見学でした。
小学校受験に挑むご家庭では、多くの小学校の公開イベントに参加することが一般的ですが、私たちも例に漏れず、10校以上の私立小学校の公開イベントに(実際に出願した学校には複数回)足を運びました。
学校によって大きくばらつきはありましたが、私は多くの学校に概ね好印象を受けました。
というのも、多くの学校からはしっかりとした理念、充実した教育環境を感じることができました。
公立小学校の見学はしたことがないので、正確な比較はできませんが、子供の成長をしっかり考えている環境であることが伝わってきました。
特に印象的だったのは、のちに第一志望となる学校の公開イベントに参加した時です。その在校生の姿を目の当たりにしたときに、ちょっとした衝撃を受けました。
それまで私がなんとなく抱いていた「小学生」のイメージを上回る、しっかりとした態度や姿勢を持つ子どもたちがそこにいたのです。
その様子を見たときに、自然と
「あ、、娘もこのような学校に通えたらいいな。」
という思いが心に浮かびました。
この出来事はとても大きかったです。
特に第一志望校に関しては、最終的に「絶対にこの学校に通わせたい」という強い気持ちにまで昇華していきました。(多少、自己洗脳もありましたが、)
この思いが芽生えたことで、受験準備に対してより一層意義を感じるようになり、情熱を持って最後まで全力で取り組むことができたのだと思います。
さらに、この学校への熱意は、願書作成や面接に臨む際にも大きな力となりました。
願書はともかく、今振り返ると、面接時にその思いを自然と表現できたことが、合格につながる一因になったのではないかと感じています。
このことについてはまた別の記事で詳しくまとめたいと思います。
まとめ
幼児教室に通う娘の姿を見たこと。
小学校見学でとてもプラスの印象を受けたこと。
この二つの要因によって、小学校受験に対するネガティブなイメージは払拭されていきました。
そして、その後の大学進学実績などは関係なく、私立の小学校に通わせることに意義を感じられるようになりまた。
小学校受験に挑む際には、保護者のどちらか一方だけでなく、父母ともに足並みを揃え、熱意を持って取り組むことが重要だと思います。
その意味でも、私が前向きな気持ちに切り替わり、夫婦ともに全力で受験に向き合えたことは、合格を引き寄せる上で非常に重要な要因だったと感じています。
受験は非常に大変で、その過程では衝突することも多々ありましたが、私を想像もしなかった世界に引き込んでくれた妻、そして親が決めたことに最後まで懸命についてきてくれた娘に心から感謝しています。