ドカン!
まずタイトルが何かというと、今日僕が体験したことだ。仕事終わりに近所のラーメン屋に行って、大盛りを平らげて帰宅していた途中、信号で停止していた。すると一つ右の車線で停まっていた車に、後続車が激突したのだ。
「ドカン!」というすごい音がした。自分の車に何か当たったのかと疑うほどにだ。道路には削られた車のパーツが転がっている。事態を理解し、ぶつけられた隣の車中をおそるおそる伺うと、運転手はスマホを片手に何かしゃべっていた。ケガをしてぐったりするのでもなく、パニックに陥り車を降りるでもなくでだ。おそらく警察か保険会社にでも電話していたのだろう。
その様子を見て安心(?)した僕は、スゥーっと追い越して帰路に着いた。というのも別の問題で胸中穏やかでなかったからだ。その問題というのは、今日酒を呑んでもいいかどうかということだった。明日は休みだ、そこで月1回の(午前中しか行けない)病院受診にも行きたい。でも薬はたくさん余っている。だから別にシラフで早起きする必要もないのではないか。なんてことをラーメンをすすっている間からずっと考えていた。
そこに来てこの「ドカン!」である。色々思うところがあり、スーパーにも寄らずに一度は帰宅した。だが、アルコール無しで過ごす休日前の空っぽの時間に耐えられるはずもなく、結局はコンビニで酒とつまみをしこたま買い込んできた。それで飲酒しながら何をするのかというと、以前録画していた「警察24時」を観るのだ。どうやら昨今は、少し酒を呑んでチャリンコを漕ぐだけでも捕まる世の中になったらしい。戦慄しながら角ハイと各種ジャーキーを口に運んでいた。
番組の中で印象的だったのは、30代妻子持ちでコインランドリーから女性の下着を盗む男の姿だった。僕には一生得られないものを勝ち得ながら、恐ろしくしょうもないモノで一生を棒に振る哀れなオスの姿。男というのはかくも哀れなものなのか。
下着を盗まず未だ何の交通違反も起こしたことのないゴールド免許の僕のもとに素敵な女性が現れないのは運命のいたずらか。テレビの中で輝く白バイの警官は何も教えてくれなかった。まあとにかく、僕の後ろに車が突っ込んでこなくてよかったなぁ。そんな幸せを今更感じる。