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香港から見るこの世界【3】大阪のおばちゃん、香港のおばちゃん

大阪のおばちゃん、香港のおばちゃん

先週からどうもB型インフルエンザにかかったらしい。今日はやっとましになったが、発熱と腹痛で数日寝込んだ。昨年末にはしっかり旅先で、A型と思われる症状のインフルエンザにかかったので、今シーズンは晴れて私はAB免疫フルセットの「インフルエンザ―」となったわけだ。(笑)

さて3日ほどエッセイが書けなかったのだが、今日もまだ頭がふわふわしており、脳味噌がフル活動していないので、比較的緩やかな話題にしておこうと思う。私は京都出身で、社会人になってからは、大阪の船場のアパレル商社で過ごした。当時右も左もわからないくせに、小生意気なこの若造に対し、厳しいながらとても心優しく接してくれて、そして成長させてくれたのは、会社の上司や先輩はもちろんだが、社内や取引先などで出会う「大阪のおばちゃん」の存在も大きかったと思う。

若輩者の私を、同じ目線まで下りて来てくれながら、人生の先輩の立場から、社会人として育ててくれた大阪のおばちゃん。今思い返せば本当に感謝しかない。ただ実は香港に訪れて間もないころから既に感じていたことがある。何と香港のおばちゃんと大阪のおばちゃんがすごく似ているのだ。いや、そっくりと言っても過言じゃない。そしてそれは私にとっても、これまで縁もゆかりもないこの香港という地で、24年間という長きに渡りどうして住み続けられたかの理由の一つとして確実に存在する。

香港のおばちゃんの特徴を挙げると、まず第一に声が大きい。香港で主に話される広東語という中国語の方言は、特に腹から声が出るのが特徴で、ずしんとした響きがある。(それに対して多くの人が知る「北京語」は、キンキンとした高音系の響きが特徴)この広東語を早口で喋られた日には、もう喧嘩かと思うくらい怖く感じる時がある。でも顔は満面の笑み、みたいな時が多いから憎めない。次にお節介で何でも口を挟む。知らない人でも気さくに話す。世話好きで底抜けに明るい。そしてこれが一番重要ポイントなのだが、とにかく情に厚い人が多い。関西エリア出身の人ならここで気が付くと思うのだが、そうなのだ。改めて文字にしても実感する。やっぱり私が知る大阪のおばちゃんなのである。

日本と香港の差は様々な方面で確かに大きい。だが大阪のおばちゃんと香港のおばちゃんの差は非常に近いのが面白い。香港での24年を振り返ってみても、このハードタッチながらウォームハートな香港のおばちゃんを、私はどこか故郷の温もりのような心地よさを感じ、それに守られながら、こうやって生きてこられたのかなと思うのだ。

香港のおばちゃん、いつも元気をありがとう。これからもよろしくね。ドーチェサイレイデイ!

読者の方も、もし機会があれば実際に香港のおばちゃんを観察してみて欲しい。ただ大阪のおばちゃんのように「飴ちゃん」はくれないが。(笑)








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