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冬のウミアメマスの釣り方
北海道では冬季の釣りが限られています。特に12月から2月の太平洋側は狙えるターゲットが少ない時期です。アングラーにとって厳しい時期ではありますが唯一例外で遊んでくれる魚はアメマスです。今回はアメマスについての記事を書いて、釣り初心者の人でも楽しめる冬のアメマス釣りを紹介致します。
そもそもアメマスという魚はどんな魚?
アメマスは別名ウミアメと呼ばれる魚でわかりやすく言えば海に降りたイワナです。サクラマス(ヤマメ)・サツキマス(アマゴ)と違うのは孵化してすぐに海に降るわけではなく1〜2年は淡水域で育って、その後海に降る生態を持つようです。食性について
水生昆虫、プランクトン、魚卵、小魚などなんでも食べる感じです。水生昆虫を食べるのでフライフィッシングのターゲットになりますし、海でもルアーよりもフライの方が釣りやすい感じがします。よく釣れるサイズは40cm前後ですが時々60cmとか70cmの個体も釣れたりします。どう言う場所に住んでいるのか
海に降りた後は沿岸部を群れで回遊している感じでしょう。あまり深い所に降っていくイメージはありません。この辺はサツキマスとかサケと違う所でしょう。釣り方
ルアーフィッシングのターゲットとして初心者の人でも釣りやすい魚だと思います。10cm程度のミノーで時々アクションを入れながらゆっくり巻いてくるのが基本です。そもそも夏場と違って水温がものすごく低いですから厳冬期は魚は活発に泳げません。ゆっくり巻いて食わせるのが基本です。スプーン系のルアーにも反応してきますから管釣り経験者も楽しめる魚でしょう。一番大事なのはタナを合わせる事です。マス系の魚はその日や時間帯によって泳いでいる層が違います。水面を意識している時もあれば小魚がいる層を意識している時もあるし海底で巻き上がる魚卵を物色しているもあります。どの層で群がいるのかを早めに判断してそこを攻めるのが攻略の鍵でしょう。
釣れる時間帯ですが他のマス系の魚と同様、暗い時間帯は不思議なくらい全く釣れません。目が悪いとも思えないのですが、捕食するのは明るくなってからです。朝日が完全に昇ったら釣り始めて暗くなったら撤収というパターンです。朝マズメとか夕マズメという感じもなく、日中はダラダラと釣れてるという不思議な魚です。どんな道具が必要か(リールと糸)
ルアーで釣る場合と餌で釣る場合を紹介したいと思います。まずルアーで釣る場合ですがリールはC3000XGを用意しましょう。ルアーを繊細に動かす必要がある釣りなので水中のルアーの動きを敏感に感じる事のできるハイギア系のリールが便利です。ラインは12lb程度のナイロンか、1.5号くらいのPEに20lbのナイロンリーダーが良いと思います。
餌で釣る場合は小型の誘導式のウキを使いましょう。コツは2号くらいのハリスを1mくらいとって餌を自由に動くようにしてやることです。カンツキのチヌバリ5号くらいを使うと良いと思います。餌は冷凍のキビナゴや小女子で10〜15cmくらいの餌が最適でしょう。ハリスと道糸をスナップで結んでスナップに1.5号くらいのオモリをくっつけてタナを探りながらウキを流すと良いでしょう。イメージとしてはウキからスナップの道糸はしっかり海中に沈んで、ハリスからハリは水中を漂わせる感じです。餌の小女子がユラユラ泳いでいるように工夫しましょう。寒冷地特有のラインの問題(ナイロンとPEのメリット・デメリット)
外気温はマイナス10℃とか15℃の厳寒期の釣りなのでラインは常に凍っています。ガイドも海水で氷ってます。PEを使っていると凍ったラインとガイドが擦れてラインの寿命を縮めますのでラインスプレーをこまめに振りかけるか、耐摩耗性の高いナイロン(GT-R)を使うかだと思います。それからこれは自分の経験上発生した事なのですが、蜜巻き機能のあるステラとかツインパを使う方はPEをお勧めします。ナイロンを使うとスプール内で蜜巻きになってる糸同士が凍りついてライントラブルが起きやすい気がします。理由を考えてみるとナイロンは糸の断面積がPEより大きく柔軟性に乏しいため軽いルアーを投げた問いにボワっと塊でラインが放出されやすいのだと思います。基本的に常に弱いテンションのかかっている巻き物の釣りになるので初心者の方には断然PEをお勧めします。20gとか30gのルアーを投げるならこういう心配はありません。あくまで軽いルアーを投げる時に気をつけないといけません。どんな道具が必要か(ロッド)
マス釣りに硬いロッドは厳禁です。特にサクラマスやアメマスは口が丈夫ではありません。マスレンジャーのような柔らかいロッドが必要です。6ft〜7ftのアジングロッドやエギングロッドが入手しやすいと思います。もちろん趣味にお金をかける人はワールドシャウラのテクニカルエディションが最適でしょうが、高い竿じゃなくても魚釣りは楽しめます。私の使っているのは22セフィアBB S76MLを使っていますがこれで60cmオーバーのアメマスも普通に釣れます。フッキングのコツ
マス系の魚を釣るときに大きなモーションでフッキングしてはいけません、口切れします。マスは身が柔らかく弱いです。小さくシャープに合わせるようにしましょう。フッキング後は魚がある程度抵抗しますが、柔らかい竿のしなりを利用して慌てる事なくゆっくり魚に空気を吸わせてください。バス釣りやシーバス釣りみたいに力任せの取り込みをしてると口切れして逃げられます。タモも用意しましょう
持ち帰るにしてもリリースするにしてもタックルがやや繊細なのでタモは必要になります。足場の高さに合わせたタモを準備してください。もしリリースするならゴム製の網を使ってください。魚体に傷をつけずにランディングできます。持って帰って食べる場合
アメマスは美味しくないと言う人が多いです。確かに身は水分が多いので刺身なんかには向かない身質です。しかししっかり脱水すれば蛋白でふわふわの食感です。ムニエルなんかには最適だと思います。後、生食はやめましょう。川と海を行き来してる魚です。寄生虫を持っている可能性があります。必ず加熱して食べましょう。人間の管理のもとで養殖された魚とは違う事をお忘れなく。