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図書館で見つけた「心」の本たち


「生きづらさ」を超える哲学

1冊目は岡田尊司(著者)『「生きづらさ」を超える哲学』である。図書館の分類番号は493.7である。

著者の岡田尊司は日本の精神科医で作家でもある。パーソナリティ障害の臨床に取り組む第一人者の一人である。

この本は生きづらさを抱える人が確実に増えている今、どのように生きていくか臨床実験を踏まえて書かれている。

いわれのない不安に悩む人にという章にヘルマン・ヘッセの話が出てきている。
次々と問題行動を起こす彼は自殺願望を持っており、それを見かねて両親が彼を知的障害者の施設に入れさせようとした。

ところが、医者に見せると、精神病院に入院させる前に他の選択肢も考えてみたほうがいいとアドバイスされた。そしてヘッセが入ることになったのは、重い知的障害児のための施設であった。古い城を改築した牢獄のような施設に閉じ込められると知ったヘッセは、井戸に飛び込んで死んでやると、自暴自棄な態度を見せた。
 だが、皮肉にも、この施設で過ごすことになる一ヶ月が、彼をみるみる癒していったのである。ヘッセは庭仕事と障害のある子どもたちの世話を任され、自分が受け入れられたと感じる。無条件に受け入れられることこそ、ヘッセがずっと欲しがっていたことだった。

62ページより

この部分からなぜヘッセが問題行動を起こしていたか、自殺願望を持っていたのかの背景が読み取れ、ヘッセの純粋な気持ちが感じ取れる。

HSPと不安障害

「生きてるだけで不安」なあなたを救う方法

2冊目は高田明和(著者)『HSPと不安障害ー「生きているだけで不安」なあなたを救う方法』である。図書館の分類番号は493.743である。

著者の高田明和はニューヨーク州立大学准教授、浜松医科大学准教授である。テレビ出演やNHKラジオ定期便などに出演し、現在までも継続的に著書を出版している。

私は高校の卒業論文でHSPについて書いた。自分自身もHSPという自覚があるため今回この本を選んだ。

この本は「何もリスクがないときでもリスクがあるかのように脳が感知して、小さい音や色、匂いなど、わずかな刺激にも過剰反応してしまう人」であるHSP。「さまざまな不安に継続的に襲われ、生きていくのが苦しい人」である不安障害。これらの症状を抱える人に自身の傾向を知ってもらい、どう活かし、コントロールしていくかを教える本である。

他人をコントロールすることで自分の力を誇示したり、喜びを感じる厄介な人がいます。…….「エネルギーバンパイア」と呼ばれる人たちです。
 私自身も経験がありますが、自分に対して悪意を持ったある人物にかかわると気分が悪かったり、部屋に空気が変わったりします。メールや電話でもこの悪意のエネルギーは伝わるようで、彼らの言葉や、声を聞くだけで体調が崩れることもあります。

57ページ

この本はHSPや不安障害を持つ人々に寄り添う本だが、この部分ではその人たちを追い詰める行動、それをする人のことを言及しておりこの本を見て自分が人のことを追い詰めていたと自覚させるような役割も担っている。

うつ病の人の気持ちがわかる本

3冊目は保崎秀夫(著者)『うつ病の人の気持ちがわかる本』である。図書館の分類番号は493.764である。

著者の保崎秀夫は日本の医学者であり精神科医である。慶應義塾大学の名誉教授である。2005年には瑞宝中綬章を受賞している。

この本はうつ病の基本的な知識から身近な人がうつ病と診断された時の行動の仕方などについて書かれている。

秋の夕暮れ時など、なんとはなしに悲しい気持ちになったりした経験もあるのではないでしょうか。
 こうしたことは誰でも経験していますから、その時の気分はよく理解できるでしょう。しかし通常は一時的なもので、周りの人に慰めてもらったりして、いつしか元気になっていきます。………..
ところがうつ病の人は、そのような気分がいつまでも続き、落ち込みの程度も一般的なケースとは違い、かなり強いものです。

63-64ページ

うつ病じゃない人にもうつ病という病気をよりわかりやすく理解してもらうために多くの人が体験したことがあるであろう事柄を挙げ、その上でうつ病との違いを示している。

まとめ

以上、この記事では3冊の「心」をテーマとした本を紹介した。
私は本といえば文庫本のイメージで専ら文庫本ばかりを手に取り、読んでいた。しかし、今回授業で一つのテーマに関連した本を何冊か読むことでそのテーマに対する知識を深く学ことができた。
書き方についてもいつもは自分の感想しか書いていなかったため本自体のことについて書くのは非常に難しかった。
今後もこのような機会があれば今回学んだ書き方を実践していきたいと思う。

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