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シルスキー司令官の戦略

お久しぶりです。オタミリでござんす・・・

さて、久々にウクライナ情勢のことを解説してみますが、本日解説をするのは、シルスキー司令官のインタビューについてです。

シルスキー司令官は、ガーディアンのインタビューにて、現在のウクライナの戦況、そして今後のウクライナの戦争について語っていました。
非常に興味深いインタビューでしたが、その中でいくつか注目すべきところを紹介していきたいと思います。

ロシア軍、ウクライナ軍の損失

効率の悪い軍隊

「ロシアの損失はウクライナの3倍であり、いくつかの分野ではさらに大きい」
とのことを答えています。

現在ウクライナ軍とロシア軍、両軍の被害の比率は、正確なところは不明です。
しかしいくつかのデータをもとに、それを推測することができます。

オランダの研究機関であるオリックスが公開をしてたデータによると、確認をされている車両の被害は、ロシア軍の方が3倍ほど大きかったです。
これから考えるに、ロシア軍の方がウクライナ軍よりも3倍ほどの被害があると考えられます。
私もこの数値を基準としていたのですが、しかし今年に入ってから、ロシア軍の被害は跳ね上がっています。

特にハルキウ攻勢を始めた時から、この被害はすさまじいことになっているので、今はさらにこの差は開いていると思われますね。

現在のウクライナ軍の防衛能力

防御に回るウクライナ軍

「ロシア軍がザポリージャ地方、南部で新たな攻撃を開始した場合、我々は対応できるだろう」

現在のロシア軍を見ると、主にハルキウ、ドネツク、ここで攻撃を実施しています。
ロシア軍がさらに戦線を拡大する場合は、やはり南部方面で始めるものと思われますね。

しかしシルスキー司令官はそこで攻撃が始まったとしても、それを跳ね返せる自信を持っています。
そして私も、ロシア軍が南部攻勢を始めたとしても、それほどの結果は出せないと確信していますね。

そもそもハルキウ方面の攻撃が始まった時にも、これが戦略的に成功をする可能性は少ないと解説をしていきました。
ロシア軍は数は揃えられるでしょうが、しかしその部隊の能力はどうなのか?兵士の練度は?武器の普及率は?色々なことを考えて、この攻撃は失敗をすると思っていました。
攻撃をしそれに成功をするのは、本当に難しいことですからね・・・

巨大化するロシア軍

数は増え続けるロシア軍

「侵攻開始時、ロシア連邦の兵士数は10万人程だったが、現在は52万人。
2024年末までにその数は69万人になる。
さらに戦車の数も増え、砲兵システムも増え続けている」

そんなロシア軍ですが、何故いまだに戦えているのでしょうか?
それは至って単純であり、損失分以上の補充をしているからですね。

2022年、戦争開始時には、ウクライナに侵攻をしたロシア軍の総兵力は、約15万人程と言われていました。
以前に解説をした、ゲラシモフドクトリンによる戦略から、このような人数になったのですね。

しかしその戦略は見事に失敗。
ゲラシモフドクトリン失敗以降は、ソ連式のドクトリン、
【数で押すでござる作戦】に変更をします。
最初は志願兵を増やしたり、また国内で動員をしたりと色々な方法で増やし、そして現在も賃金を上げて志願兵を増やしていますね。
また外国人志願への数も増えている状況です。
このような状況ですので、ロシア軍から人員が枯渇をするということは、しばらくはないと思いますね。

また車両の数ですが、これは人員が増えれば、当然車両も増えて、砲兵システムも増えます。
その数は2022年と比べれば、2倍から3倍になっているのも納得できますね。
しかしその車両ですが、兵士に比べてやはり足りていない状況でしょうね。

ではこの車両ですが、枯渇することはあるのでしょうか?
私が思うにまだまだ枯渇をすることはないと思います。
戦車の数が深刻なことになっていくのは、早くとも来年頃にはなると思いますね。

ウクライナ軍の目標

クリミア奪還を狙うウクライナ軍

「クリミアの返還は現実だ。
そして1991年の国境に到達するためにあらゆる手段を講じるつもりだ。
占領地にいて苦しんでいる国民を解放するために・・・
勿論その手段は軍事機密であるが」

今回のインタビューで一番注目をすべきはこれでしょうね。
現在のウクライナとしては、クリミア奪還を目標にしています。
そしてシルスキー司令官は当然これを目指しているのですが、しかしこれって本当に可能なのでしょうか?

クリミアを奪還する場合は、最低でもザポリージャを奪還しなければいけません。
つまり南部攻勢を成功しなければいけないのですね。
これさえ成功できれば、もうクリミアは目と鼻の先になります。
しかしこの南部攻勢と言うのが、なかなか難しいのです。
2023年のウクライナ軍の南部攻勢は、失敗をしてしまいました。
再びウクライナ軍がこれを実施するためには、また今度はこれを成功させるためには、かなりの戦力が必要となるでしょう。
そしてロシア軍もそれを分かっているので、かなり厚い防御陣を敷いて待ち構えると思われます。

成功をするには普通の戦略ではなく、なにかハルキウ攻勢時のように、思わぬことをする必要があるのかもしれません・・・
無論それを考えたとしても最高機密事項になると思いますので、私が知ることはありませんけどね・・・・

以上がシルスキー司令官のインタビューになります。
ここから前文が読めますので、興味がある方はご覧ください

https://www.theguardian.com/world/article/2024/jul/24/i-know-we-will-win-and-how-ukraines-top-general-on-turning-the-tables-against-russia


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